Webサービスのディレクトリ仕様を策定するUDDI(汎用的な記述/発見/統合)イニシアチブは米国時間で7月3日,UDDI3.0のドラフト仕様を公開した。新バージョンにおける機能強化のポイントはセキュリティ機能やデータ管理機能などにある。

 今バージョン最大の特徴は,UDDIレジストリに登録された情報の信頼性を保てるようになったこと。具体的には,PKI(公開カギ基盤)技術を利用し,UDDIレジストリに情報を登録するユーザーを証明できるようにした。例えば,第三者機関が運用するPKIベースの認証サービスで認証されたユーザーだけに情報の登録を許すといった制御が可能になる。これにより,UDDIレジストリの検索内容を基に取引先を探すことが,現実的になった。従来のUDDIレジストリは,他人になりすまして情報を登録できるため,ニセの情報が登録されるおそれもあり,実用性を問う声があった。新バージョンでは,この問題が解消されたことになる。

 また,UDDIレジストリを複数運用する場合を考慮した点も大きい。この場合に,インターネットの名前解決に利用されるDNS(ドメイン名システム)のように,ルートUDDIレジストリの配下にツリー状にUDDIレジストリを構築できる。XML(拡張可能マークアップ言語)技術の普及/啓もう団体であるOASIS(構造化情報標準推進機構)で標準化されたXML/EDI(XML電子データ交換)仕様「ebXML」のディレクトリとの相互連携も可能になっている。

 そのほか,データ・モデルを一新しメタ・データ(データ内容を把握するためのデータ)を追加しやすくした,検索機能や多言語対応を強化したなどの点が改善されている。(H.J.)