ヤフーは下り最高12Mビット/秒のADSL接続サービス「Yahoo! BB 12M」の提供を始める。まず2002年7月1日に試験サービスとして開始,8月から本サービスとして提供する。ユーザーに貸し出す「Yahoo! BB コンボモデム12M」は,3種類の伝送方式を備えており,ユーザーの回線状況を調べて最適な方式に自動的に切り替えてくれる。

 新モデムが備える伝送方式は,従来のG.992.1 Annex Aに加え,Annex CとAnnex Aの改良版Annex A.exを使う。Annex A.exはAnnex Aを改良した伝送方式で,最高速度が12Mビット/秒である。伝送可能な距離もAnnex Aより長いという。

 ADSLで問題になる雑音やISDNの干渉などによる影響は,電話回線ごとにさまざまである。どの伝送方式が最適かは,実際にADSLサービスを導入して見なければわからない,というのが実情であった。コンボモデムならば,回線状況を調べて,自動的に最適な伝送方式を選択してくれる。たとえば,ISDNの干渉が大きい回線では,Annex Aでは信号が減衰しやすいため,Annex Cを使う。Annex Cは,ISDNの干渉による影響が少ないからだ。

 試験サービスは,3000人のモニターのみに提供。新たにYahoo! BBを導入するユーザーのみが対象である。試験サービス期間中は,モデムのレンタル料金を含む月額料金2970円が必要である。ただし,キャンペーン中で2カ月間料金が無料になるため,実質2カ月分の料金のみでよい。本サービスはモデム・レンタル料込みで月額3370円である。(T.F.)