米国で,マネージド・サービス・プロバイダ(MSP)大手が相次いで事業からの撤退を発表した。米ラウドクラウドは6月17日,同社のマネージド・サービスの事業部門を大手システム・インテグレータの米EDSに売却することを明らかにした。一方,米インテルは6月18日,同社のインテル・オンライン・サービスを段階的に縮小する計画を発表した。

 マネージド・サービスは,各種のインターネット・システムの運用を代行するホスティング・サービス。サーバー・マシンとOSだけでなく,アプリケーションまで含めてMSPが運用する。WebホスティングやASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)のアプリケーション・ホスティングと違って,サーバー・ソフトやデータベース・システムの選択肢が広い。事業者によっては,ユーザーのカスタム・アプリケーションまで含めて代行運用する場合がある。ただ,いわゆるドットコム企業の失墜や景気低迷の影響で,MSPも事業展開に四苦八苦。ラウドクラウド,インテルもその例に漏れなかった。

 ラウドクラウドは,米ネットスケープ・コミュニケーションズの創設者であるマーク・アンドリーセン氏らによって99年に設立された注目企業だった。今回,EDSが約6350万ドルでの事業買収に合意。2002年9月までに買収を完了する計画である。ラウドクラウドは,事業売却と同時に,社名をオプスウエア(Opsware)に変更。システム管理ソフト「Opsware System」の開発・販売に専念する。Opswareは,システム管理を自動化するソフトで,ラウドクラウドのマネージド・サービスの基盤として利用されてきた。例えば負荷状況に応じたサーバー・マシンやアプリケーションの設定変更,構成変更,障害復旧などを自動化できるという。

 一方,インテルは,段階的な縮小とはしているものの,事実上,市場から撤退する。今後1年間はサービスを継続するものの,その間に,既存ユーザーが他の環境に円滑に移行できる方法を探るべく,各ユーザーと交渉する。新規顧客は契約しない。(Y.K.)