XML(拡張可能マークアップ言語)の普及/啓もうを目的に結成された業界団体であるXMLコンソーシアムは6月13日,ニュース配信用のWebサービスを利用した実証実験に成功したと発表した。実験では,ニュース配信に使用される標準のXMLデータ形式「NewsML(ニュース・マークアップ言語)」に基づき,Webサービスを構築した。業界標準のXMLデータ形式を利用することにより,データの再利用がしやすくなることを実証できたという。

 実験では,次のようなシナリオを想定した。まず,新聞社や通信社がNewsMLに基づいたニュース検索Webサービスや気象情報提供Webサービスを運用開始。次に,それらのWebサービスを呼び出し,コンテンツを統合してエンドユーザーに提供するポータル・サイトを構築する企業が登場した--というもの。

 すでに新聞社や通信社の多くは,新幹線の電光ニュースなどの配信にNewsMLを採用しており,今後ポータル・サイトへの情報提供などにも使用する可能性が高い。また,新聞社や通信社以外にも,一般企業がニュース・リリースの提供にNewsMLを使用するようになることも考えられる。そのため,こうしたシナリオは応用範囲が広いと考えた。実験では,共同通信社,毎日新聞社,読売新聞社,気象サービスなどが実際に配信しているNewsMLデータを用いている。

 ポータル・サイト側では,NewsMLで実際に使われている「サブジェクト・コード」という記事の分類コードを使って検索することも可能にしている。
また,ニュースの表示形式は,ポータル・サイト側で設定する方法と,Webサービス提供者側で設定する方法を用意。Webサービス提供者側で設定する場合には,Webサービス提供者があらかじめ作成したスタイル・シートを,Webサービスを使ってポータル・サイトに提供する構成を採った。

 Webサービスの構築には,次のWebサービス基盤ソフトを使用した。Apache AXIS Beta1,Fujitsu INTERSTAGE Application Server4.0L20,Hitachi Cosminexus Application Server5.0,IBM WebSphere Application Server 4.0,IONA Orbix E2A XMLBus Edition 5.1,Microsoft .NET Framework,NEC ActiveGlobe WebOTX4.2,Oracle9i Application Server Release2--である。ポータル・サイトは,BEA WebLogic Server6.1Jで構築した。

 実証実験のシステム開発は,XMLコンソーシアム応用技術部会が主導し,東芝,日進ソフトウエア,日本アイ・ビー・エム,日本オラクル,日本電気,日本ユニシス,野村総合研究所,日立製作所,PFUアクティブラボ,富士通,リコーシステム開発が担当している。(H.J.)