米マカフィ・ドット・コムは5月7日,迷惑メール対策用ソフト「McAfee.com SpamKiller」の販売を開始した。迷惑メールとは,広告など,ユーザーの同意を得ずに勝手に送りつけられるメールのこと。同ソフトを使うと,受信した電子メールの中から迷惑メールを自動検出し,削除してくれる。さらに,迷惑メールが2度と送られてこないように,迷惑メールの発信元に,あて先不明を装ったエラー通知メッセージを返信する。

 SpamKillerは,迷惑メールが2度と送られてこないように,該当するメール・アドレスが存在しないことを装ったエラー通知メールを作成し,発信元に送り返す。一般に迷惑メールの送信者は,あて先不明となったメール・アドレスを送信先リストから削除するなど,送信先リストを最新の状態に保つべく保守している。そのため,エラー通知メールを送り返すことで,送信先リストから自分のメール・アドレスを削除できる可能性が高くなるという。ただし,メール・ヘッダー(Return-Path,From,Received)を偽造した迷惑メールを受信した場合,無関係の第3者にエラー通知メールを送信してしまう危険もあり,運用には注意が必要になる。

 SpamKillerは,ユーザーのクライアントPCにインストールして使用する。動作は次のようになる。SpamKillerは,ユーザーが設定したメール・サーバーを定期的に監視。メールが送られてくると,その発信元を迷惑メール発信元データベースと照合する。該当するものがあれば迷惑メールと判断し,それを自動的に削除する。迷惑メール発信元データベースは,マカフィが管理し,毎日更新する。また,データベースに登録されていない迷惑メールに対処できるよう,題名,本文,メール・ヘッダー,国コードなどの情報をもとに迷惑メールかどうかを判定する仕組みも備えている。

 ただし,必要なメールを誤って削除してしまうことがないように,SpamKillerは削除したメールを30日間は保存する設定になっている。また,迷惑メールと間違えてほしくないメール・アドレスを登録し,削除しないように設定することも可能である。

 価格は29.95ドル。従来市販されてきた迷惑メール対策ソフトは,サーバー側で動作するゲートウエイ製品として実装されているうえ価格も高く,中小企業や企業内の個人が利用することは難しかった。SpamKillerは,中小企業や個人の利用に適した迷惑メール対策ソフトといえる。なお,この製品はマカフィが買収したノルウェーのノヴァソフトの技術をもとに開発された。(H.J.)