オープンループ(本社・北海道)は,WindowsやInternet Explorer(IE)などのセキュリティ・パッチを自動的に適用するためのサービス「WizService」を6月に開始する。Windows2000/XPを搭載するパソコンが対象。アクセス メディア インターナショナル(AMI,本社・東京)と共同開発したソフト「PatchWiz」を使う。AMIもWizServiceを提供する可能性がある。

 WindowsやIEのパッチを自動的に適用するサービスには,マイクロソフトが無償で提供している「Windows Update」があるが,これは対象ソフトがマイクロソフト製品にほぼ限定されている。これに対してWizServiceは他社ソフトなども対象にする。もっともサービス開始時に対応予定のソフトは,今のところWindowsとIEだけ。ほかのソフトは,ユーザーのニーズに応じて対象を広げていくという。企業ユーザーごとの個別対応にも応じる予定。

 WizServiceのサービス・センターでは,対象ソフトの最新のパッチ情報を常に調査し,それをデータベースに登録しておく。パッチ適用ソフトのPatchWizは,定期的にWizServiceのデータベースにアクセスし,適用していないパッチがないかどうか調べる。適用していないパッチがあれば,マイクロソフトなどのベンダーのサイトなどからパッチを自動的にダウンロードする。それを自動的に適用するか,ユーザーの確認を求めるようにするかはソフトの設定で変更できる。

 個人ユーザー向けと,企業ユーザー向けの2種類のサービスを用意する。個人ユーザー向けは,オープンループが月額数百円でサービスする予定。企業ユーザー向けはユーザー数に応じた料金体系になる。企業ユーザー向けには,パッチ情報データベースを社内で運用するためのソフトも提供する。このソフトを使えば,最新パッチのチェックを,社内ネットワーク内で高速に実行できるようになる。

 企業ユーザー向けには,ダウンロードしたパッチを1つずつ適用するという機能も用意する予定。サーバー・マシンなどではパッチを1つずつ適用して,それぞれで不具合の有無を確認したいというニーズがあり,これに応える。Windows Updateで集積パッチなどを適用すると,不具合が発生したときの原因を切り分けにくいという問題がある。

 パソコン・メーカーへのOEM提供も狙っている。パソコンにプレインストールしたソフトに対して,パッチを一括適用できるようにする。 (K.A.)