スリーコム ジャパンは,LANカード(NIC)にファイアウォール機能を組み込んだ「3Com Embedded Firewall」を発表した。パケット・フィルタリングによるファイアウォールで,社内のサーバーやデスクトップPCそれぞれに装備すれば,インターネットなどの社外はもちろん,社内からの不正アクセスの防止が容易になる。出荷は5月下旬。

 製品は,ファイアウォール機能を搭載したNICとフィルタリング・ルールを一元管理するポリシー・サーバーからなる。NICは,サーバー用,デスクトップ用などに分かれる。NICに搭載されたファイアウォール機能は,米セキュア・コンピューティングからのライセンス供与を受けて開発した。NIC上に専用のCPUを搭載。NIC上でファイアウォールが稼働するため,基本的に,当該マシン上で稼働するOSなどには依存しないうえ,OSやアプリケーションにフィルタリング処理による負荷もかからない。

 NICには,ファイアウォールのほか,ネットワーク・アタックの監視(不正侵入検知)機能や,IPSecを使ったVPN(仮想プライベート・ネットワーク)機能も搭載。VPN用に,専用の暗号化チップも搭載してある。また,ファイアウォールのフィルタリング・ルールをはじめとする各種設定は,ポリシー・サーバー上で一元的に管理できる。価格は,例えば,サーバー用NIC1枚,デスクトップ用NIC10枚,ポリシー・サーバー1ライセンスをパッケージ化したスターターパックが36万円程度になる見込み。(Y.K.)