パイオニアは4月22日, GPS対応携帯電話(以下,GPS携帯電話)を持つユーザーの位置情報を,インターネットに接続したパソコンで閲覧できるサービス「位置情報配信ASP」を開始した。KDDIのau向けのGPS携帯電話に対応する。4月23日には,衛星から撮影した写真をもとにした地図情報サービス「skywalk」を開始する。

 位置情報配信ASPを使えば,営業担当者の現在の居場所を確認したり,営業して歩いた範囲などを把握したりできる。緊急事態の発生時に,近くにいる社員を急行させるといった使い方も考えられる。GPSを使うため,他の携帯電話を使った位置情報サービスよりも,正確な現在位置を把握できる。また,位置情報の履歴から,GPS携帯電話を持つユーザーの行動範囲を表示することもできる。

 ユーザーの位置情報は,GPS携帯電話上で動作するJavaアプレットが定期的にサービス専用サイトに送信するという方法で収集する。そのため,ユーザーはあらかじめ,サービス専用サイトからGPS携帯電話にアプレットをダウンロードしておく必要がある。「商談中」,「事務処理中」などのステータス情報や,ユーザーが自由に入力したメモも,サービス専用サイトに送信できる。こういったステータス情報などもパソコン側から閲覧できる。また,ステータス情報の統計をとって時間別のグラフにして表示したり,位置情報の履歴から行動範囲を表示したりすることも可能である。

 位置情報配信ASPの料金は,GPS携帯電話1台につき月額500円,専用サイトを見る端末1台あたり月額5000円。初期費用は不要である。今後,サービス専用サイトであらかじめ指定したエリア内に,GPS携帯電話を持ったユーザーが出入りしたときに,音を鳴らしたりメールで通知したりする機能も追加する予定である。

 もう一方の新サービス「skywalk」は,衛星写真をインターネットで提供するサービスで,地図と並べて写真を表示する。日本スペースイメージングが,米スペース・イメージングの衛星「イコノス」を使って撮影,配信する写真を使っている。サービス開始当初は,東京23区,川崎市,横浜市,浦安市,大阪市が表示可能なエリアである。1562分の1と,かなりの低縮尺率まで表示できる。たとえば不動産業者が物件の周囲を説明するのに使ったり,屋上に設置する機器のメーカーの営業担当者が見込み客を探したりするのに利用できる。skywalkの利用料金は,サービスへのログイン1回ごとに200円。skywalkはパイオニアの地図情報サイト「ナビっP゜」の1メニューであるため,ナビっP゜の月額使用料200円が別途かかる。(Y.Y.)