ファイアウォール・ベンダーの米ソニックウォールは,4月10日,日本国内で新製品を発表した。すべての機種にASIC(特定用途向けLSI)「CyberSentry」を搭載。従来製品に比べて5~10倍の性能を実現した。同時に,複数のファイアウォール・アプライアンスを一元管理できる管理ソフト「SonicWALLGlobal Management System」(SGMS)を発表。大手企業やサービス・プロバイダなどの大規模ネットワーク向けのソリューションを強化した。

 今回発表したアプライアンスは,「SonicWALL TELE3」,「同SOHO3」,「同PRO100/200/300」の5機種。どれも,IPSec(IPセキュリティ・プロトコル)によるVPN(仮想プライベート・ネットワーク)機能を持つ。TELE3とSOHO3は,主に在宅勤務者などSOHO向けの製品で,TELE3が5台,SOHO3が10台/50台というように,内側のネットワークに接続できる端末数に制限がある。設定できるVPNトンネルの数はTELE3が5個,SOHO3が10個である。一方,PROシリーズは主に中小規模の企業向けで,端末数は無制限。3機種ともDMZ(非武装地帯)ポートを装備する。VPNでは,PRO100が最大50トンネル,同200が最大500トンネル,同300が最大1000トンネルまで対応できる。

 これらのアプライアンスと同時に,ファイアウォール管理ソフトのSGMSも国内で発売した。SGMSを使うと,複数のサイトに同社のアプライアンス製品を分散配置した場合でも,それぞれのファイアウォールのフィルタリング・ルールやVPNトンネルの設定を一元的に管理できる。価格は,5ノードまで管理できるエントリ版が25万8000円,25ノードまで管理できるスタンダード版が130万円など。

 同社はこのほか,2002年5月にも,同社のアプライアンスに搭載してウイルス対策機能を実現できる付加ソフトを国内で発表する。米国ではすでに提供されているソフトで,同社のすべてのアプライアンスで利用できる。米マカフィー(米ネットワーク・アソシエイツ)と共同開発した機能で,アンチウイルス・ソフトを搭載していないPCや,ウイルス定義ファイルを最新のものに更新していないPCからのインターネット接続を自動的に遮断し,強制的に最新パターン・ファイルを適用する機能を持つ。(Y.K.)