サン・マイクロシステムズは4月11日,小規模オフィスや個人事業者向けのサーバー・アプライアンス「Sun Cobalt Qube 3Plus」の販売を開始した。新たにVPN(仮想プライベート・ネットワーク)機能やWindows NTドメインのPDC(プライマリ・ドメイン・コントローラ)として動作する機能などを搭載した。同製品は「Sun Cobalt Qube 3」の後継機種にあたる。

 Cobalt Qube 3Plusは,Linux2.2をベースにした“オールインワン・サーバー”。例えば,電子メール・サーバー,Webサーバー,FTP(ファイル転送プロトコル)サーバーなどの機能をあらかじめ搭載している。購入後,Webベースの日本語対応管理ツールで簡単な設定をするだけで,これらの機能を利用できる。「Sun Cobalt BlueLinQ」というソフトウエア配布サービスを搭載している。これにより,セキュリティ・パッチなどが公開されると管理者に通知し,管理者が了承すると自動的に適用することが可能になる。

 新たにIPSec(IPセキュリティ・プロトコル)またはPPTP(ポイント・ツー・ポイント・トンネリング・プロトコル)を利用したVPNの構築に対応した。ADSL(非対称ディジタル加入者線)など,安価なインターネット接続サービスを利用して拠点間を安全に接続可能になる。

 また,同製品を社内ネットワークで利用する場合のために,Windowsクライアントとの連携機能を強化した。具体的には,Windows NTドメインのPDC相当の機能を提供する。Windows NTドメインとは,Windows NTサーバーなどで構築したネットワークの資源を管理する仕組み。セキュリティやユーザー・アカウントの集中管理を可能にする。SMB(サーバー・メッセージ・ブロック)やAppleShareもサポートしているため,WindowsクライアントやMacintoshからファイル・サーバーとして利用することもできる。

 製品は3種類。スタンダード・エディションは,メモリーが64Mバイト,ハードディスクが20.4Gバイト搭載して18万円。ビジネス・エディションは,メモリーが256Mバイト,ハードディスクが40Gバイト搭載して23万5000円。プロフェッショナル・エディションは,メモリーが512Mバイト,ハードディスクが40Gバイトを2台搭載して32万9000円。なお,VPN機能はビジネス・エディションとプロフェッショナル・エディションにのみ搭載されているが,スタンダード・エディションでもライセンスを購入すれば追加できる。(H.J.)