米マイクロソフトは米国時間で3月27日,.NET環境で使用可能な開発言語「C#」のコンパイラと,その実行環境である「CLI(共通言語インフラストラクチャ)」のソース・コードを非営利目的での利用に限って開示した。同社のWebサイトから入手可能だ。Windows XPとFreeBSD4.5で動作する。

 開示されたソース・コードは開発途上版(いわゆる「ベータ版」)。利用するには別途,マイクロソフトの統合開発環境「Visual Studio .NET」と,フリーのスクリプト処理系「Perl5.6」が必要になる。

 すでにマイクロソフトは,C#とCLIの仕様をECMA(欧州電子計算機工業界)に提出済み。米ジミアンが2001年7月に開始した「Mono Project」など,ECMAに提出された仕様をもとにマイクロソフトの実装と互換性のあるC#処理系を開発する試みが進んでいる。

 なお,ソース・コードは「MICROSOFT SHARED SOURCE CLI, C#, AND JSCRIPT LICENSE」という契約に則って開示される。契約内容によると,営利目的での使用は許可されていない。例えば,教育や研究,個人的な範囲での使用のみが許されている。改変したソース・コードを配布することもできるが,改変部分に対する著作権を主張することはできない仕組みだ。

 今回のソース・コード開示は,マイクロソフトが2001年5月に発表したSSI(共有ソース・イニシアチブ)活動の一環。すでに同社は,Windows CE 3.0やWindows CE .NETのソース・コードの一部を公開している。(H.J.)