スカイリー・ネットワークス(本社・東京)は,Bluetoothや無線LANなどの無線インタフェースを備えるPDAなどに対して,プッシュ型でデータを配信するソフト「DECENTRA Server」を2002年5月に出荷する。半径10~100mの範囲ごとに,DECENTRA Serverを動かしたWindowsパソコンを設置すれば,DECENTRA Server間で自動的にPtoP(ピア・ツー・ピア)型ネットワークが構成され,カバーする範囲に存在するPDAなどに一斉に情報を配信できる。DECENTRA Server間でパケットをやり取りするルーティングのルールなどは,自動的に作成されるため,面倒な設定が不要である。

 パソコンを設置するだけで手軽に無線ネットワークを構築できるため,イベント会場や建設現場などで情報共有する用途を見込んでいる。

 PDA側にも専用のPtoP通信ソフト「DECENTRA」を載せる必要がある。この通信ソフトを介して,配信されたショート・メッセージや画像データなどを受信する。DECENTRA ServerにもDECENTRAが搭載されており,PDAやパソコンは,実際には対等なピアとして相互に通信する。DECENTRAは,Windows CE/98/NT/2000/XPで動作し,BluetoothとIEEE802.11xに対応する。DECENTRAを載せた専用の小型端末も開発中である。

 DECENTRAでは,PtoPの普及を推進するコミュニティ「Jnutella.org」で開発されたPtoP向けのルーティング・プロトコル「JRP」(Jnutella Routing Protocol)を使う。JRPは,ピア間のルーティング情報の交換を効率化したものである。スカイリー・ネットワークスの社長を務める梅田 英和氏は,Jnutella.orgの中心メンバーの1人。(K.A.)