ウェブセンス・ジャパンは3月19日,業務に無関係なWebサイトへのアクセスを禁止するURLフィルタリング・ソフトの新版「Websense Enterprise v4.3.1」を出荷した。通常はアクセスを禁止しているサイトに対して,一定時間内ならアクセスを認める機能を付加した。例えば,インターネット・バンキングのサイトを1日30分間だけ許可するといった設定ができる。インターネット・バンキングを禁止すると,私用とはいえ,社員は業務を中断して銀行に出向くことになる。それよりも一定時間アクセスを許可した方が,業務効率が上がると判断できるような場合に利用する。

 Websenseが収集するアクセス・ログを,米ウェブセンスに送信する機能「WebCatcher」も付加した。企業が実際にアクセスしたサイトの中で,アクセスが許可されたサイトの一覧を送信する機能でである。ウェブセンスは受け取ったサイトを優先してチェックし,サイト・チェック用のデータベースに反映する。このデータベースは,ポルノやギャンブル,エンターテインメントなど,カテゴリごとに分類したURLのリストで,このリストを基にWebsenseはアクセスの可否を判断する。米ウェブセンスは通常,巡回ソフトなどを使ってサイトを目視でチェックしデータベースに反映しているが,企業ユーザーからアクセス・ログを受け取ることで,チェックもれを防ぐ狙いがある。もっともアクセス・ログを提供するかどうかは企業側で選べる。今のところアクセス・ログを提供しても企業側のメリットはないが,「今後,割引といったキャンペーンを実施することで,ログの提供を促進していきたい」(ウェブセンス・ジャパン社長の楠 浩一氏)という。

 Websense Enterpriseは,ファイアウォールやプロキシ・サーバーと連携するかたちで動作する。ファイアウォールやプロキシ・サーバーからURLを受け取り,許可するかどうかを判断して返信する。アクセスを禁止するURLを登録したデータベースは,アンチウイスル・ソフトのパターン・ファイルと同じように,毎日更新する。データベースの更新は,インターネット経由で米ウェブセンスのセンターにアクセスすることで自動的に実行される。 (K.A.)