ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は2月13日,PlayStation2向けにインターネットを介して,オンライン・ゲームを提供したり,パッケージ型ゲームや音楽などを販売したりするサービス「PlayStation BB」を2002年4月に開始すると発表した。

 PlayStation BBは,イーサネット・ポートと40Gバイトのハード・ディスク装置を備えた専用機器「ブロードバンドユニット」(BBユニット)をPlayStation2につないで利用する。BBユニットは,ISPなどが販売またはレンタルする。ISPによっては,PlayStation BBを利用するための月額基本料を別途徴収する見込み。ユーザーは通常,インターネット接続に使っているISPと契約して,PlayStation BBを利用する。オンライン・ゲームの利用料金やコンテンツの代金も,ISPなどに通信料金の一部として支払う。

 PlayStation BBを提供するISPとして,2001年12月に発表したソニーコミュニケーションネットワーク<(So-net)/A>に続いて,ニフティNEC(BIGLOBE)NTTコミュニケーションズ(OCN)ぷららネットワークスが新たに名乗りを挙げた。So-netとNTTコミュニケーションズは4月,ニフティとNEC,ぷららネットワークスは7月にサービスを開始する。

 動画などのブロードバンド・コンテンツを配信しているプロバイダもPlayStation BBを提供する。NTTブロードバンドイニシアティブ(NTT-BB)(4月に開始)とエー・アイ・アイ(AII)(5月に開始)である。この場合,ユーザーはインターネット接続に使っているISP経由で,NTT-BBなどのサービスを利用する。NTT-BBは自社でもインターネット接続サービスも提供しており,これとPlayStation BBをセットにしたサービスも用意する。AIIは,イッツ・コミュニケーションズなどのCATV事業者100社をつなぐバックボーン・ネットワークを経由して,PlayStatin BBを提供する。

 料金体系については,NTT-BBが詳細を明らかにした。BBユニットは,1万8000円の一括払いか,月額約1160円の18回払いで販売する。PlayStation BBのサービス利用料は月額200円。このほかSo-netは月額約1000円,ヤフーは月額約900円でサービスするという。

 ISPやコンテンツ配信事業者が徴収したコンテンツ利用料のうち,ゲーム・メーカーなどに支払われるのは「約80%程度」(SCEI社長兼CEOの久夛良木 健氏)という。残りの約20%は,ISPまたはコンテンツ配信事業者と,SCEIが手数料として徴収する。SCEIが徴収するのは,コンテンツの不正利用を防ぐ認証システム「DNAS」の利用料である。

 BBユニットは,ダウンロード型のゲームを再生するためのソフト,動画を視聴するためのビューア「RealPlayer」,音楽を視聴するためのソフト「Juke BOX」,メーラー,インスタント・メッセンジャ・ソフトなどを搭載する。(K.A.)