米アップル・コンピュータ(以下,アップル)は2月13日,同社の動画・音声メディアQuickTimeの最新版「QuickTime 6」を発表した。今回のバージョン・アップの特徴は,新たにMPEG-4(Moving Pictures Experts Group-4)をサポートすることである。MPEG-4は,ビット・レートが低い動画や音楽を対象にした符号化形式で,ストリーミングで広く使われている。アップル・コンピュータは,MPEG-4の動画をエンコードしたりデコードしたりするのに使うコーデックを開発した。

 アップルは,QuickTime 6はすでに完成しているが,配布はMPEG-4のビデオ・ライセンス条件が改善されるのを待って開始したいとしている。MPEG-4特許保有団体「MPEG-LA」が,MPEG-4のライセンス条件として,コーデックを出荷する企業と,MPEG-4を使ってストリーミング・ビデオを作るコンテンツ・プロバイダの両方からライセンス使用料を徴収するという提案をしているという。なお,ストリーミング・サーバーは,MPEG-4のライセンスを必要としないため,「QuickTime Streaming Server 4」にMPEG-4とMP3のストリーミング機能を追加して2月13日に提供を始めた。

 このほかQuickTime 6は,MPEG-2ベースの音声コーデックAAC(アドバンスト・オーディオ・コーディング)や,話し声の再生に向くMPEG-4の音声コーデックCELP(Code Exited Liner Prediction)をサポートするなどの特徴を備える。(Y.Y.)