サイバーエージェントは,ユーザーがどのようにWebページを見たかを調査してレポートする行動分析サービス「CATS-S」を2月1日に開始する。Webページ上でユーザーが操作するマウスの軌跡を追跡するという,行動分析の新たな手法を用いた点が特徴。ユーザーがページ上のどの場所にマウス・ポインタを持っていったのか,あるいはページ上のどこをクリックしたかといった情報を入手できる。例えば,アンケートのページで,ユーザーはどの入力項目で入力をためらい回答するのをやめたのか,といった調査ができる。

 サイバーエージェントは,CATS-Sで使うWeb効果測定システム「ESI(Emotional Sensitive Interface)」を共同開発したジーネット(本社・札幌市)および北海道工業大学と提携,ESIを商用サービスとして提供する。

 測定対象にできるのは,JavaアプレットとJavaScriptを実行できるブラウザ。ブラウザの種類やクライアントOSは問わない。マウスの軌跡は,ユーザーのブラウザ上で実行される測定用のJavaアプレットで測定する。このJavaアプレットは2Kバイト程度のファイル・サイズで,ユーザーがページをダウンロードするときに一緒に送られ,ブラウザ上で実行される。測定用のJavaアプレットは,CAT-Sサービス側のサイトに置く。そのため,サービスを利用する企業は,測定対象のページにJavaアプレットへのリンク(JavaScript)を追加すればよい。

 ブラウザで実行されたJavaアプレットは,Webページに仮想的な測定シートを挿し込むような働きをして,その上を通るマウスの軌跡やマウス・ポインタの滞在場所,休止時間といったデータを測定する。そして,ユーザーが測定対象のページからほかのページに移動するか,またはブラウザを閉じるタイミングで,北海道工業大学に設置したデータベースに送信する。また,クッキーを併用して,測定対象のユーザーを特定することもできる。

 サイバーエージェントは,サービス利用企業の要望に沿って,データベースに蓄積した測定データからグラフを用いたレポートを作成して提供する。サービス利用料金は,計測期間3日間,調査対象が1ページ,データ集計のみの簡易レポート作成という構成で50万円から。初期費用はかからない。(Y.Y)