米マイクロソフトがWebサービスを構築/利用するためのツールを続々とリリースした。1月14日にオフィス・スイート製品「Office XP」とWebサービスを連携させるためのツール「Office XP Web Services Toolkit」をリリース。さらに翌15日には,.NETベースのWebサービスを構築/利用する基盤ソフト「.NET Framework」の正式版を提供開始した。同時に,Webサービスの構築/利用に対応したアプリケーション開発支援環境「Visual Studio .NET」を,開発者向け有償サービス「MSDN(Microsoft開発者ネットワーク)」の加入者向けに先行リリースした。.NETベースのWebサービス構築/利用環境が,本格的に整ってきた。

 Office XP Web Services Toolkitは,Office XPをWebサービスのクライアント・ソフトとして利用可能にするツール。Office XPに搭載されている「Visual Basic for Applications」を使い,Webサービスを直接Office XPから呼び出せるようにする。UDDI(汎用的な記述/発見/統合)レジストリを使用して,Webサービスを検出する機能も備える。

 .NET Frameworkは,.NETベースのアプリケーションを開発/利用するための基盤ソフト。同時に配布が開始された「.NET Framework SDK」には,クラス・ライブラリやコマンドライン・コンパイラなどが収録されており,C++,Visual Basic,C#など複数の開発言語を使い,.NETベースのアプリケーションを容易に実装できる。

 Visual Studio .NETは,.NET Frameworkに対応した統合開発環境。イベント駆動型のアプリケーションをGUIベースで手軽に設計/構築/デバッグできるようになっている。パッケージ版は米国で2月13日前後に出荷される。日本でも,3月8日にラウンチ・イベントの開催を予定しており,同イベントで出荷を発表すると見られている。パッケージとしては,スイート製品である「Visual Studio .NET」のほかに,「Visual Basic .NET」,「Visual C++ .NET」,「Visual C# .NET」など,各言語のパッケージも提供する。開発言語としてのJavaを利用できるようにした「Visual J# .NET」の出荷は未定となっている。(H.J.)