米オラクルは米国時間の12月5日,Webサービス構築に対応したJava統合開発ツール「Oracle9i JDeveloper」を発表した。SOAP(簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル)やWSDL(Webサービス記述言語)などの標準技術に対応したWebサービスおよびWebサービス・クライアントを開発できる。米ボーランドが開発した「JBuilder」のOEM版であった従来バージョンとは異なり,オラクルが独自に開発したJava統合開発ツールである。

 Oracle9i JDeveloperでは,Webサービス関連の開発機能を搭載した。具体的には,(1)WSDLファイルからアプリケーションのひな形を生成する機能,(2)既存のJavaクラス向けにSOAPインタフェースとWSDLファイルを生成する機能,(3)WSDLファイルで指定されたXML(拡張可能マークアップ言語)スキーマを編集する機能--などを加えた。現状ではApache SOAP互換のAPIをサポートするが,将来的にはJ2EE1.4に搭載されるJAX(XML用のJava API)にも対応する予定。J2EE1.4は2002年に発表される見込みである。

 また,従来は異なるツールとして提供していたUML(ユニファイド・モデリング言語)によるアプリケーションの設計機能,XMLデータの作成/変換機能などを統合し,共通のユーザー・インタフェースで使用可能になった。Oracle9i Application Serverに加え,BEA WebLogic Serverに対してアプリケーションを展開する機能も備える。メモリー・リークやデータ・ロックなどの有無をチェックする機能もサポートする。

 稼働環境は,Windows NT/2000/XP,Linux,Solarisなどに搭載されたJDK1.3(Java開発キット1.3)以降。開発者は,Oracle9i JDeveloper,およびサード・パーティやオープン・ソースの開発ツールと統合するための「Oracle9i JDeveloper Add-In Kit」を,Oracleの開発者向けサイト(Oracle Technology Network)から無償でダウンロード可能だ。(H.J.)