医薬品や電子透かし製品を開発・販売する興和(本社:名古屋市)は,静止画検索サイト「SteganoFinder」を今週開設する。静止画のURLとファイル名に加え,画像中の文字列も検索対象にできるのが特徴である。およそ3億枚の静止画が検索対象だという。バナー広告収入での運用を考えており,無料で利用できる。

 SteganoFinderは,(1)ファイル名を含む静止画のURL,(2)静止画中に描かれている文字列(現在はアルファベットのみ,日本語対応は開発中)--から,ユーザーが入力したキーワードに合致した検索結果を表示する。例えば「ichiro」と入力すると,「ichiro.jpg」のようなファイル名の静止画と,画面中に「ichiro」という文字列が描かれている静止画を検索結果として表示する。画像中の文字列は,同社が独コビオン社と共同で開発した画像認識技術の一部機能を使い,OCR(光学式文字読取装置)的な手法で自動検出する。

 また,「人物画だけを検索する」,「カラーまたは白黒画像だけを検索する」という2つのオプションを指定できる。今後,会員制の有料サービスを設定して「写真だけ/グラフィックだけを検索する」,「アダルト画像も検索対象に含める」などの指定もできるようにする予定。

 しかし,版権ビジネスを手がける企業などは,静止画中の文字列だけでは物足りない。興和は11月1日から,SteganoFinderと同じ画像認識技術を使って類似する静止画を検索するサービス「SteganoWatcher」を提供している。SteganoWatcherは,輪郭の抽出など画像認識機能を全て使う。ロゴや有名人の写真などを不正利用するサイトの発見に役立つ。例えばロゴなら,人物が着ている洋服に描かれたものなど,角度がついていたり一部が欠けて写ったりしているものも探し出す。「.co.jpなどの特定ドメインだけ」,「自社サイトははずす」など検索結果の絞り込みも可能。また,同社が提供中の電子透かしサービス「SteganoBank」との連携も予定している。SteganoWatcherの検索結果から,さらに同社の電子透かしが埋め込まれているのはどの静止画かを把握できる。SteganoWatcherの利用料金は,検索1件につき15万円から。(Y.Y.)