米サン・マイクロシステムズ米コマース・ワン独SAPは,企業間(BtoB)EC向けのメッセージ記述言語「ユニバーサル・ビジネス・ランゲージ」(UBL)の標準化に乗り出す。これまで,BtoB EC向けのメッセージ記述言語は,ロゼッタネットのPIP(パートナ・インタフェース・プロトコル)や,コマース・ワンのxCBL(XMLコモン・ビジネス・ライブラリ),米アリバのcXML(コマースXML)など,異なる規格が用いられてきた。UBLは,これらを統一する狙いがある。3社を中心に,ほかのベンダーの参加も呼びかけ,2001年9月ころに標準化作業を開始する。そのための標準化グループを,BtoB EC関連の標準化団体である「ebXML」か,国際連合の下部組織である「UN/CEFACT」のどちらかの下で結成する。

 サンでこのプロジェクトを主導するDistinguished Engineerのジョン・ボサック氏によると,「UBLは,コマース・ワンのxCBL3.0をベースにしたい」という。最大の理由は,コマース・ワンがxCBLの知的所有権を放棄していること。xCBLをベースにUBLを開発すれば,どのベンダーもライセンスなしに利用できるようになる。「米マイクロソフトとSAPもxCBLベースのシステムを開発している」(ボサック氏)ため,業界も受け入れやすいとみる。ロゼッタネットやアリバのcXML,EDI標準のX.12など,ほかの規格による成果も取り入れる。

 UBLは,2001年5月に標準化されたebXMLの標準規格を補完する意味合いがある。ebXMLの規格では,取引先との契約と,サービス発見のためのプロトコルや,メッセージ転送のためのトランスポート・プロトコルなどが標準化されたが,メッセージ記述のための言語は規定されていない。このebXMLにUBLを組み合わせることで,BtoB ECの相互接続性が実現できるという。(K.A.)