アドイン研究所は7月12日,全文検索により,文字の並び方が似ている単語を見つけられるWebサイト向け検索エンジン「FlexSearch for Web」の出荷を始めた。例えば検索キーワードが「女子中高生」だったとき,「中」の文字が抜けた「女子高生」を検索できる。自由な文体で書かれたWebページ(掲示板など)を検索したり,あいまいな記憶で商品名を検索したりする場合に有効である。構文解析を実行して,文章の表現方法の差異(動詞の活用など)を吸収できる製品はあったが,今回のように単語の文字の並びに関して,あいまいな検索ができる製品は「初めて」(アドイン研究所 営業部主任の岡野 泰英氏)という。同社のAI(人工知能)技術を適用した。

 「ゴミリサイクル」を検索したとき,「ゴミのリサイクル」というように余分に文字が挿入された文章を探し出したり,「ドボルザーク」と指定されたとき,「ドヴォルザーク」というように文字が置換された文章を探したりできる。「テレフォンカード」が「テレカ」といったように省略して表現される場合にも対応できる。似ている単語の表現をあらかじめ検索エンジンに登録しておく必要はない。日本語の省略表現は次々と生まれてくるが,そのたびに単語を登録する必要はない。

 検索エンジンは,CGI(コモン・ゲートウエイ・インタフェース)で呼び出す。Windows NT/2000,Solaris,Linuxなどで動作する。価格はユーザー数にかかわらず,Windows版が120万円,UNIX/Linux版が150万円。テキスト・ファイルとHTMLファイルを検索できる。オプションで,Word/Excel/PowerPointの文書や,PDF(ポータブル文書フォーマット)ファイルにも対応する。OracleやAccessなどのデータベース・ソフトとの連携も可能。クライアント版(4800円から)や,ピープルソフト ジャパンのコール・センター向けソフト「Vantive Enterprise」の検索エンジンとして使える製品(120万円)も用意する。(K.A.)