アルゴグループが6月29日に,携帯電話向けコンテンツ変換専用機器「UbiquinoX AnyMogbile V2.1AS」を発売する。公開するWebサーバーのリバース・プロキシとして設置するもので,特徴は,携帯電話ほぼ全機種のスペックに関するデータベースを組み込み,ユーザーの機種に合わせて,コンテンツ記述言語はもちろん,フォントや画面サイズ,色数などを調整して変換する点。今まではソフトウエア単体で提供していたが,新たにアプライアンスとして提供することで「導入やメンテナンスの負担を軽くする」(アルゴグループ マーケティング ディレクターの松浦 修氏)ことを狙っている。

 UbiquinoX AnyMogbile V2.1ASはiモード向けのコンテンツをKDDIの「EZweb」とJ-フォン・グループの「J-SKY」向けに,自動変換する。それぞれHDML(携帯端末向けマークアップ言語),MML(モバイル・マークアップ言語)への言語変換機能に加え,画像ファイルの形式変換機能も備える。ユーザーは,CHTML(コンパクトHTML)のコンテンツさえ作成すれば,ほかの携帯電話向けにもWebサーバーを公開できる。

 新しいコンテンツ記述言語への対応が容易な点も特徴。コベンティブのLinuxディストリビューション「XLinux」をベースに,C++を使い,機能をモジュール化して実装しているため,「XHTML(拡張可能ハイパーテキスト・マークアップ言語)などへの対応を迫られても,対応モジュールを組み込むだけですむ」(エンジニアリング ディレクターの清川 康志氏)という。携帯電話向けWebサイトのコンテンツ記述言語を統一する動きがあるが,「レガシーな機種やコンテンツ記述言語への対応は欠かせない」(代表取締役社長のマーク・ハフマン氏)という。

 UbiquinoX AnyMogbile V2.1ASの価格は468万円。本体は1Uのラックマウント型で,あらかじめRAIDレベル0と1をサポートしたハードディスクを2つ備える。機種データの更新は,アルゴグループが遠隔から操作する。初年度は,100台程度の売り上げを見込んでいる。今後は,NTT東日本/西日本が6月29日に始める固定電話向けインターネット接続サービス「Lモード」や,PDA(携帯情報端末),カー・ナビゲーション・システムへの対応も検討。UbiquinoX AnyMogbileに組み込んである,国内外のブラウザ・フォンのスペック情報を掲載した携帯電話情報サイト「DEVZone」を,6月20日に公開している。(T.F.)