「ワークスタイルの改革を通じて、年間4億円以上のコスト削減効果があった」と力強く語るのは、NECのUNIVERGEソリューション推進本部UNIVERGEサポートセンターの倉橋誠センター長。東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催中の「IPテレフォニー&ケータイソリューション2005」の講演では、自社の取り組みを振り返りつつ、IP電話導入について実践的なアドバイスを話した。

 「得られる効果をよく見極めたうえで自社の課題と照らし合わせれば、導入すべきかどうか見えてくる」と受講者に呼びかけた。自社内の電話システムの現状や企業風土などを細かく調査・分析することが大事だという。

 IP電話と一口に言っても関連するツールは様々だ。「部署限定ならばPCソフトフォンや携帯電話は効果が出やすいが、電子電話帳は全社一斉でないと効果は出づらい」(倉橋センター長)。「利用方法や使い勝手を見極める必要がある」ツールと「全社一斉でないと成果があがらない」ツールの違いを把握しなければならない。

 「ユーザー部門がIP電話になじみやすいように,可能な限り使い勝手をよくしてあげてください」と話す一方、、ユーザー部門へのユニークな仕掛けも披露した。NECのIP電話導入の先駆けとなったオフィスでは、自動販売機のジュースを無料にしたという。「先端的な取り組みに関わっている特別な人間なんだという意識付けが成功を導いた」と倉橋センター長は締めくくった。

(上木貴博=日経情報ストラテジー)


5月19日~20日、サンシャインシティ文化会館(東京・池袋)で開催(日経BP社主催)。
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