インターネットの仮想コミュニティで、顧客の声を集めるマーケティングが定着してきました。ただし、完成品の色や形を選んでもらうといったレベルでは、消費者の声に迫れません。

 そうしたなかで注目を集めるのが、複数の人が書いた日記を共有できる「ウェブ日記」です。自由に書き連ねる日記は、心情が表れやすく消費者の本音を探るのに適しているとか。

 ウェブ日記には運用上の利点もあります。例えば電子掲示板は、議論を盛り上げたり、言い争いを防ぐためにこまめに発言を監視する必要がありますが、ウェブ日記はテーマを設定して、書きたい人を集めて日記を書いてもらうだけと手間いらずです。

 ある製薬会社では特定の病気に悩む患者と医師を集めて非公開の日記コミュニティを立ち上げて、普段は触れにくい患者のデータや意見を収集する予定です。このほか、商品キャンペーンと連動したウェブ日記を設けて人気を呼び、自社ホームページへの集客を増やした企業もあります。

三田 真美