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第14回 教えられ上手になるテクニック

女性SE IT業界“さばいばる”日記

2004/05/28

 IT業界で問われる知識は範囲が広すぎて,自分1人で習得した知識や経験だけではまかないきれるものではありません。知らない部分に関しては人に頼らざるをえないですよね。そんなとき「教えられ上手」の人はとても得をすると思いませんか?

 ふと気づけば私も社会人4年目。後輩たちは旺盛な好奇心とパワーでどんどん質問してきます。正直言うと「なんでこんなことを質問するの?イライラするなぁ」と思うこともあります。でもよく考えてみると,それって私が過去にやってきた行為そのものなんですよね。きっと,先輩方も私に対してイライラしたのでしょう・・・ごめんなさい。そこで今回は「教えられ上手」になるために,私なりに気をつけていることを挙げてみたいと思います。

教えられ上手になるためのテクニック
その1:知識武装をする


 「○○って何?」と,質問するのは簡単です。でも,技術関係の場合は「○○」について聞くために,その周辺情報をまず理解していないと,お話にならない場合が多々あります。

 極端な話,「apacheって何?」と質問した場合,その人が「Webサーバー」すら知らなければ,「Webサーバーとは何か」から説明してもらう必要があります。また,「jakartaプロジェクトではtomcatというものもあって……」という話の中で質問する場合,これらの言葉の詳細は理解してなくても,聞いたことはあるくらいのレベルが必要です。そうでなければ,「jakartaプロジェクトって何?」「tomcatって何?」といちいち,質問することになってしまい,話の流れを止めてしまうかもしれません。

 教えられ上手になるための第一の秘訣は,ある程度の「知識武装」をすること。「検索エンジンで調べる」「関連する技術書をパラパラ見る」など,方法はいくらでもあります。私はというと,とにかくネットで調べまくるタイプです。そして調べながら自らアリ地獄にはまることもアリ……(笑)。

 というのもネットは便利ですけど,情報が多すぎたり断片的だったりするので,整理が大変なんですよね。でも,私はそれらの情報で概要がつかめる状態になるまで調べることにしています。勘の良い人であれば,この時点で聞きたかったことが解決しちゃうこともあるかもしれませんよね?

その2:質問の仕方を考える

 次に大事なのは質問をする前に,作戦を立てること。なるべく自分の欲しい情報が得られるような質問形式を組み立てていくのです。思いつくままに質問をしても,相手は意図をつかめず,「これが知りたいのかな?それともアレかな?」と迷ってしまいます。

 だから,相手が答えやすいように話を持っていくのです。でも,これって難しいですよね。自分の中であらかじめ「こう・・・だろうなぁ」と見当をつけていないといけないのですから。

 私は以前,製品サポートに携わったことがあります。そのときに「質問の仕方=作戦を考える」ことを学びました。多くのエンドユーザーは,ただ「わからないんですけど!」と電話をかけてきます。そこでサポート担当者はまず,「どこがどのようにわからないのか」とエンドユーザーに質問し,情報を整理しながらわからないことをブレイクダウンしていくのです。

 その結果,開発元に尋ねる場合もでてくるでしょう。その際の質問内容は,先方が答えやすいようにかなり詳細に落とし込みます。つまり,できるだけお互いのやり取りが少なくなるような質問の流れを作るのです。そうすると,ユーザーも開発元も,自分も,つまり質問する側もされる側もストレスを感じずにすみます。これを普段から心掛けています。コツをつかむと結構,面白いですよ。

その3:最後まで聞く

 説明の途中で「つまり,こういうことなんですね?」と先回りをする人,よくいますよね。これ,説明する側はかなりのストレスを感じるようです。

 私も最初,説明してもらっている途中で,ふと思いついたように発言することがありました。そのとき先輩に「こちらは君の理解の段取りを考えて説明をしているのに,途中で口を挟まれると,“あぁ,もう勝手にしろ”と思うよ」と言われたのです。それ以来,最後まできちんと話を聞くようにしています。

 確かに説明の途中でわかってしまい,そのうえ忙しいときなどは説明をじっと聞くのにウズウズすることもあるでしょう。そういう時は「この後に続く話がすごくタメになるかもしれない」と考えると,「よく聞いておこう」と思うことです。きっとこういう姿勢って相手にも伝わると思うんです。
    
 「あいつには説明したくないな」なんて思われないように,誠意を持った姿勢で聞くことって大切ですよね。

その4:教えてもらったままにしない


 「人の話を聞くときは,必ずメモを取りましょう」──。新人研修でも最初に言われることですよね。これはぜひ,実践しましょう。またもう一つ,私は席に戻ったら必ず,ネットで調べることにしています。こうするとさらに理解が進みます。

 もし忘れてしまったときの場合に,自分で調べられるようにしておくことも重要です。メモを取ろうが,理解してようが,やっぱり忘れるときは忘れてしまいますからね(笑)。「これに関する資料はありますか?」とか「どうやって調べるといいでしょう?」という質問をすることも大切かも……。

その5:ときには愛嬌も

 1〜4のことに気をつけているとはいえ,やっぱり同じことを2回も3回も聞いてしまうことって,ありますよね。そういうときは,「女は愛嬌(男は度胸?)」で押し通しましょう。「○○さん〜,スイマセンけど……(ニコ!)」って感じです。もちろんこっぴどく叱られることもありますが,まぁなんだかんだいって教えてもらっています(笑)。
 
 「甘えるんじゃない!」と,不快に思う方もいらっしゃると思いますが,「教えてよかった」と思われるよう,より一層の感謝とそれからの頑張りは忘れないようにしています。

 「全て理解しているので質問する必要がない」,というのは理想ですが,現実はそうはいきません。きっと,スキルアップの秘訣は,教えられ上手であることだと思うのです。私も上記5つのマナーを守って,さらに(?)「教えられ上手」になるつもりです。そうすれば,教え上手にもなれるような気がしませんか?

  伊藤 翠(いとう みどり)
株式会社サイバーテック

東京女子大学卒業後,独立系大手SI企業にSEとして入社。金融系基幹システム開発に携わり,DOA(データ中心アプローチ),OOA(オブジェクト指向分析)を用いた上流工程を経験する。その後,SIベンチャーのサイバーテックに転職。iモードサイト開発や電子政府案件に携わり,現在は通信系企業の社内システム開発を担当。目下,OOA・UML・Javaを猛勉強中。3カ月〜半年の短期プロジェクトを複数手掛けることで経験値を増やし,プレイング・マネジャーになるために日々,努力している。

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