山本総務副大臣の写真
山本公一・総務副大臣

 電子政府、電子自治体の構築・普及について政府高官や自治体首長、民間企業の代表などが集まって議論する電子政府・電子自治体戦略会議(主催:日本経済新聞社)が28日、東京・赤坂のホテルニューオータニで開幕した。開幕に当たって、総務副大臣の山本公一氏による「ユビキタスネット社会と電子政府・電子自治体」と題した基調講演が開かれた。

 山本副大臣は2005年を最終年度とするe-Japan計画によりインフラの整備はほぼ整いつつあるが、住民の利活用が進んでいない、特に地方において存在するデジタルデバイド、セキュリティなど、まだ課題が多いと指摘した。

 それらに対する施策として、現在実際に行われている申請の9割に当たりニーズが高いと見られる登記、国税、社会保険関連の電子申請を促進すると同時に、有線、無線のシームレスなネットワークを構築し、2010年までに国民の100%がブロードバンド通信に接続できる環境を整えるとした。

 山本副大臣はICT(Information and Communication Technology)が便利で安全であるという理解を国民から得るための施策についても言及。電子政府などの社会システム改革やコンテンツの創造、流通、利用促進、ユニバーサルデザインの導入促進、人材育成などを通して2010年には国民の80%に「ICTは少子高齢化などの課題解決に役立つ」と評価される社会作りを目指すとした。また、総務省が2004年12月に策定したIT政策「u-Japan」の中で示した「ICT安心・安全21戦略」の推進や、ICTを利用する上での基本原則や共通認識を整理した「ユビキタスネット社会憲章」(2005年5月制定)を浸透させることを通じて、2010年には国民の80%がICTに安心感を得られる環境整備を進めてゆくと語った。

(塗谷隆弘)