■自治体間の格差
  ~大都市の方が平均点は高いが検討する小都市も~

 今回の調査で明らかになったことは、自治体HPの充実度は一般的に人口に比例するということだ。市や東京23区の平均点は45点であったが、町村では28点と低かった。とは言っても、個別に見ると人口の少ない市町村が大健闘して高得点を得るケースが続出した。人口5万足らずの兵庫県篠山市神奈川県箱根町はトップクラスの評価となった。

篠山市のサイトは1人の優秀な技術を持った職員いることで完成した。

  大規模な先行投資が必要になる産業育成や工場誘致とは異なり、HP作りは有能な職員が一人でもいれば手作りが可能な世界でもある。篠山市が好例であろう。自治体のHP充実度の格差は必ずしも経済力に起因するのではなく、人的資源、首長の資質、組織力、文化度などが重要な役割を果たしているようだ。ひと言でいえば、行政サイドのやる気にかかっているといっても過言ではない。

 旧態依然の行政で満足しきっている自治体からすれば、HPは“飾り”以上のものではないだろう。逆に、新しい自治への意識が高い地域ではHPは改革の牽引車にもなり得るのではないか。自治体HPは行政の姿勢を正直に反映している。


人口の少ない自治体ながらも高い評価を得た箱根町のサイト。
 自治体HPの充実度を都道府県別(県下の全市町村の平均得点)にみてみると、首都圏や近畿圏が上位を占めるのは予想通りだ。その他の地域で特筆に価するのは、岩手と山形の東北二県および北陸3県(福井、石川、富山)である。町村のレベルの高さが全体の平均点を持ち上げる結果になったと考えられる。

 気がかりなのは西日本、特に九州の不振である。佐賀県佐賀市以外には注目を集めるHPがなく、全体に活気がない印象を受ける。これは何を意味するのだろうか。人口が多い市の不振が県全体の平均点を下げる要因になったのかも知れないが、今後の検証が必要だ。


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