長野県は7月25日、公共工事設計積算システム開発の公募型プロポーザルの公告の中で、オープンソースシステム(OSS)化による開発提案を盛り込んだ。設計積算システムとは、各種の基準から公共工事に関する工事見積りを行い入札予定価格を算出するためのシステム。長野県および県内市町村で約2400人の技術者がこのシステムを利用している。  

 県の提案要求定義書は「従来のライセンス方式は、配布媒体の数量による価格設定であり、使用者側にとって大きな価格負担を強いている」としたうえで「、新たな動向であるオープンソース方式採用の積極的な提案を期待している」「オープンソースの採用効果については、県内市町村への適用、他都道府県への配布、さらには他県 ノウハウの再利用循環に繋がるものと確信している」としている。

 今回の公募について、長野県土木部監理課技術管理室では「第一の狙いはコスト削減。調査した範囲では、これまで公共工事設計積算システムは大手IT企業が開発したものしかなかった。県のIT調達に関するコンサルティングを行っている長野県ITコーディネータ協議会と検討した結果、オープンソースの採用も含め、従来より安いコストでシステムの独自開発ができるのではないかということになった。そこで、このような基本仕様定義とRFP(提案依頼書)を作成した。公共工事設計積算システムは県内の市町村も県と同じシステムを使っているため、無償あるいは低価格で市町村配布できれば大きなコスト削減効果が期待できる」とコメントしている。(黒田隆明)