Xboxで泉南中学校の生徒とテレビ会議をする東原中学校の生徒
Xboxで泉南中学校の生徒とテレビ会議をする東原中学校の生徒

 6月28日、東京都杉並区の中学校2校が、マイクロソフトの家庭用ゲーム機Xboxを使ったテレビ会議システムによる授業を実施した。杉並区では、マイクロソフトから寄贈を受けた計80台のXboxとテレビ会議システム「Xboxビデオチャット」を、6月末より8月にかけて区内67校の小中学校や区の施設に随時導入していく。今回、区立東原中学校と泉南中学校の間で、このシステムが初めて実際に使われた。

 今回の授業では、まず港区赤坂で開催されたシンポジウム「インターネット社会を迎えて—市民に迫られる安全対策—」の会場から米マイクロソフト会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏の講演の様子をリアルタイム中継した。その後、東原中学校の2年生10人と、泉南中学校の3年生の間でテレビ会議システムを介した交流が行われた。まず最初にお互いに学校の紹介をしあい、迷惑メールや架空請求などインターネットの危険性やその対策について話し合った。

 さらに、テレビ会議システムをどのように活用すべきかなどについて話し合われた。生徒からは「外国人教師による英会話の授業を複数の学校で受ける」「お互いに先生を交換し合って授業を受ける」「生徒会同士の交流会を開く」などの提案・意見が上がっていた。

 今回の杉並区とマイクロソフトとの連携は、同区の「学校コーディネーター」の一人である生重(いくしげ)幸恵氏が企画・提案をし、教育委員会とマイクロソフトとの交渉の仲介役を果たした。学校コーディネーターとは、総合的な学習の時間の協力者を紹介するなど、地域と学校の架け橋役となるボランティアで、同区教育委員会が制度化したもの。現在、杉並区では9人が「学校コーディネーター」として活動している。(塗谷隆弘)