※ この記事は『日経BPガバメントテクノロジー』第6号(2004年12月15日発行)の掲載記事に一部加筆・修正を加えたものです。

 11月5日、電子自治体のアプリケーションの共同開発および利活用などを目的とした「電子自治体アプリケーションシェア推進協議会(以下、協議会)」が発足した。設立に参加したのは8県2市(岩手県、宮城県、静岡県、和歌山県、徳島県、福岡県、佐賀県、熊本県、新潟県上越市、埼玉県鳩ヶ谷市)。会長は宮城県企画部次長の松元照仁氏、副会長は福岡県企画振興部高度情報政策課情報企画監の溝江言彦氏が務める。事務局は宮城県庁内に設置された。

 協議会の母体となった地方分権研究会(産官学で構成、宮城県、福岡県、鳥取県、岐阜県、和歌山県、佐賀県、岩手県、神奈川県の各県知事が参加)以外の自治体も、今回は6団体参加している。協議会では、今後も自治体の参加を歓迎する意向だ。

 電子自治体の今後のあるべき姿として、協議会では「自治体自身がシステム開発の標準仕様を定義し、共通化できる機能等をあらかじめコンポーネント(部品)化してシステム開発を行うことが適切」であるとしている。これによる重複開発の回避や共同利用などによりコスト削減を見込んでいる。

 協議会の主な活動内容は、(1)システム開発仕様の標準化と共通化、(2)アプリケーションの共同利用の支援、(3)アプリケーションの開発、改良、(4)システムの管理および技術支援、(5)自治体システムに関する情報収集および提供。

 福岡県が開発した「電子自治体共通化技術標準」を使用して宮城県が開発中の共通基盤や、総務省の共同アウトソーシング実証事業で開発されたアプリケーションなども含めて、自治体が開発したソフトについての利用可能性を広く調査し、利活用のための検討を行う。

 今後は、来年1月に設立予定のNPO法人「オープンスタンダード化支援コンソーシアム」(仮称。会長には三井物産戦略研究所の寺島実郎所長が就任し、ベンダー企業十数社が参加予定)とも連携して活動を進める予定だ。

(黒田隆明)