●今回は付加価値機能の後半部分を取り上げる。前回、付加価値機能では「リーダーシップ」「アウトソーシング」「ナレッジ」「特区」という4つの要因が重要であることを明らかにした。そこには、人材の移動が新たな付加価値を創造するという考えが基本にある。 ●さて後半部分では、「カネ」と「技術」について話を進めたい。その点においては、「パフォーマンス」を意識し、「小さな政府」「市町村合併」をどう取り扱うか。また、「遠隔地との提携」をいかに確保するかが議論の範囲となる。 |
■カネ |
Q11 |
付加価値機能の強化に際して、「カネ」については何に留意しなければならないのか? |
A11 |
ポイントは「無駄なコストをかけないこと」「利用者にもコストをかけさせないこと」の2点につきる |
「カネ」にかかわる付加価値機能といえば、「無駄なコストをかけないこと」と「利用者にもコストをかけさせないこと」の2点だ。 “小さな政府”を目指し、民間でできることは民間に任せる。どのような場合にアウトソーシングするのか、原則を貫くことが求められる。また、電子自治体を導入することで、迅速化、自動化と共に省力化を達成できても、コミュニティが負担しているトータルコストが削減されなければ、成功したとはいえない。
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筆者紹介 林志行(りん・しこう) 日本総合研究所研究事業本部・主任研究員。日興證券投資工学研究所を経て1990年より現職。企業のウェブ事情、インターネットを利用したマーケティング戦略に詳しい経営戦略コンサルタント。近著に『中国・アジアビジネス WTO後の企業戦略』(毎日新聞社)、『インターネット企業戦略』(東洋経済新報社)など。個人ホームページ「Lin's Bar」に過去の連載などを掲載。 |