●今回は行政サービス機能の後半部分を取り上げる。前回までに、行政サービス機能では、「クラスター制度」「情報交差点」が重要だという考えを示した。内側と外側の双方から組織を見直し、柔軟な対応を行うことが「活性化」「比較優位」の第一歩である。 ●さて後半部分では「カネ」と「技術」について話を進めたい。「個人情報」「知的所有権」をどう取り扱うか、「先端技術」を導入し、「アクセシビリティ」をいかに確保するかが議論の範囲となる。 |
■行政サービス機能と「カネ」の関係 行政サービス機能で留意すべきは「安かろう、悪かろう」だ。システム構築側に実績があるからといって安心してはいけない。そうそうたるWebサイトの構築経験者であっ ても、リスクが発覚すれば、顧客(市民、企業)情報が瞬時に流出することに変わりはない。どうやってそうしたリスクを防ぐか? 流出した場合のコスト負担をどう考えるべきか? これらが最初のハードルである。
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Q7 |
行政サービス機能の強化に際して、「カネ」については何に留意しなければならないのか? |
A7 |
バランスの取れたセキュリティの確保で支出を抑え、個人情報の有効活用で最大限の収入を考えよう |
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筆者紹介 林志行(りん・しこう) 日本総合研究所研究事業本部・主任研究員。日興證券投資工学研究所を経て1990年より現職。企業のウェブ事情、インターネットを利用したマーケティング戦略に詳しい経営戦略コンサルタント。近著に『中国・アジアビジネス WTO後の企業戦略』(毎日新聞社)、『インターネット企業戦略』(東洋経済新報社)など。個人ホームページ「Lin's Bar」に過去の連載などを掲載。 |