2006年度中までには55%の自治体で電子申請を実施予定、WebサイトがRSSリーダーに対応している市区町村は1.9%、CMS(コンテンツ管理システム)を導入している市区町村は9.3%——自治体のWebサイトへの取り組み状況が『日経パソコン』の調査により明らかになった。

 データは「行政の情報化」の進展度を比較するために日経パソコンが毎年実施しているアンケート調査「e都市ランキング」の中間集計報告として、5月13日に東京・赤坂で開催された「第6回 全国電子自治体会議」で公表されたもの。調査票は国内全市区町村に配布、5月6日までに到着した950自治体の回答をまとめた。

■自治体サイトの利便性高まる
自治体サイトの利便性高まる

 調査では、自治体サイトの利便性が向上していることが明らかになった。「市区町村の概要」「各種申請書類のダウンロード」「部署ごとの電話眼号」などを掲載する自治体サイトの比率は、2004年の調査より軒並みポイントが上昇している。特に「夜間や休日に利用できる病院の案内」は9.5ポイント上昇して47.3%の自治体サイトで掲載されていることが分かった(上図)。

  電子申請については、26.3%の自治体がサービス開始済みと回答。2006年度中までには55%の自治体で電子申請サービスを開始予定であることが分かった。メニューとしては「公共施設の予約」「住民票の写しの交付」「納税証明書の交付」を用意している自治体が多かった。

 そのほか、アクセシビリティ・ガイドラインを策定している市区町村は13.1%、RSSリーダーに対応している市区町村は1.9%、CMSを導入している市区町村は9.3%といった中間集計結果が明らかになった。

 Webのアクセシビリティについては、昨年JIS規格(JIS X 8341-3:2004:高齢者・障害者等配慮設計指針 − 情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス − 第3部:ウェブコンテンツ)が制定され、意識が高まりつつあるが具体的な対策はまだまだこれからの自治体が多いようだ。

 RSSとは、XMLを応用したファイルで、サイトの概要を配信するための業界標準フォーマット。RSSリーダーと呼ばれるクライアントソフトを使って、サイトの内容を簡単にチェックできるようになる。最近、インターネット上での新たな情報伝達手段として注目を集めている。

 CMSについては、HTMLを覚えることなく各部署の職員がサイトに情報を公開でき、その際に所属長の承認手続きも併せて行えること、各部署から発信したコンテンツを一括して管理できることなどから導入を検討する自治体が増えている。

 なお、2005年のe都市ランキングは、今夏に『日経パソコン』誌上で公開予定となっている。今回紹介したWebサイトでの住民サービスのほか、セキュリティ、庁内情報化などを総合的にポイント化し、自治体の情報化を住民視点で評価する。

(黒田隆明)

お詫びと訂正:記事本文と図表中で「夜間や休日に利用できる病院の案内」の2004年の数値が当初34.0%となっていましたが、37.8%の間違いでした。お詫びして訂正します(本文・図表とも37.8%に差し替え済です)--2005.5.18