■埼玉県宮代町のホームページ「電脳みやしろ」が、『日経インターネットアワード2002(自治体・教育・NPO部門)』を受賞した。動画ニュース、イベントカレンダーなど地域に密着した最新情報から行政情報まで、広くて深い情報を提供すると同時に、更新も頻繁に行っていることが評価された。町役場内のイントラネットシステム(LAN)と連動させて、様々な情報をHTMLに自動作成する仕組みを構築したことで、大量の情報を素速く更新できようになった。(文:山田哲也=イデア・ビレッジ、黒田隆明=編集部)



宮代町地図

 都内まで東武線で約40分、埼玉県の東北部に位置する宮代町は、東武動物公園などでも知られる人口約3万5000人の小都市である。その宮代町ホームページ「電脳みやしろ」が、昨年末に『日経インターネットアワード2002(自治体・教育・NPO部門)』(主催:日本経済新聞社)を受賞したことで話題となっている。

 「町のその時々の話題を動画で配信したり、カレンダーでリアルタイムに行事を知らせるなど、町全体の動きが町民によく分かるようつくられている」「ほぼ半日に1回、新しい情報を入れるなど更新頻度も多い」「職員が町民と一体となって町政の透明化に取り組んでいる」──受賞団体の紹介ページからの引用である。地域に密着した情報発信と更新頻度の多さが、このホームページ「電脳みやしろ」の評価ポイントと言えそうだ。

■地域に根ざした情報を以前からサイトで発信

宮代町の公式ホームページ「電脳みやしろ」
宮代町の公式ホームページ「電脳みやしろ

 2002年4月にリニューアル・オープンした「電脳みやしろ」だが、そもそも宮代町がホームページを開設したのは、今から6年前の1997年7月。地方自治体としてはかなり早い時期の開設といえる。それも、町のちょっとした紹介文などを掲載する、「とにかくホームページを立ち上げました」的なものではなく、“地域に密着した情報発信”という目標を掲げ、取り組んできた。例えば、「参加したい」「教えたい」といった、住民が自分の情報を登録する「まちづくり人材登録やりたいゾゥ」のページ(コーナー)をはじめ、町長への質問とその回答を掲載した「町長への手紙」コーナーなどがそうで、いずれもリニューアル前から存在しているコンテンツだ。さらに、独自のメールマガジン「バーチャル町民登録」を発行するなど、ITに対するマインドはかなり高い。

 そして、昨年4月にリニューアルした「電脳みやしろ」では、「情報量」と「更新スピード」を大幅に充実させることに成功したのである。

 「HTMLを誰も触らずに情報を更新できるようにしたのです」と、宮代町役場の総合政策情報政策担当主査である栗原聡氏は説明する。具体的には、グループウエア「Lotus Notes」で構築した役場内のイントラネット上の情報を、そのままWebサイト用にデザインされたHTMLファイルに自動変換し、公開用サーバーに反映できる仕組みを作り上げたのである。