米アクセンチュアは2005年度の電子政府ランキングを4月6日(米国時間)に発表した。第1位はカナダ(5年連続)、第2位は米国、第3位にデンマークとシンガポールがランクされた。日本はオーストラリア、フランスと同ポイントの5位。政府の電子化推進アクション・プランが進んだことで、昨年の11位から大幅にランクを上げた。

 アクセンチュアの調査は今回で6回目。2005年1月3日から17日に掛けて、同社の専任スタッフが各政府との間で実際にオンライン業務を行って評価した。調査対象は22カ国。サービスの成熟度(オンラインで手続きが完了するかなど)、顧客サービスの成熟度(カスタマイズ機能、複数の行政機関による連携、電話などとのマルチチャンネル対応、情報提供など)について、それぞれ50%の重み付けをした。

順位 国名 進ちょく度
(調査22カ国平均:48%)
1 カナダ 68
2 米国 62
3 デンマーク 56
3 シンガポール 56
5 オーストラリア 55
5 フランス 55
5 日本 55
8 ノルウェー 54
8 フィンランド 54
10 オランダ 50
11 スウェーデン 49
12 イギリス 48
12 ドイツ 48
14 ベルギー 46
14 アイルランド 46
14 メキシコ 46

  日本の電子政府は、ランキングこそ3位グループ(5位)に浮上したものの、利用・活用はまだまだ進んでいない実態も明らかになっている。アクセンチュアが同時に実施した各国400人(米国のみ600人)の市民を対象に実施した利用者調査によると、日本の電子政府利用率(これまでに利用したことがある人の比率)は36%。これは、対象22カ国の中でインターネット利用率(1カ月以内に1度以上インターネットを利用する人の比率)が55%を超える17カ国のなかで、もっとも低い利用率だった。個人認証が普及していないこと、給与所得者の源泉徴収の制度があり、税の申告をする人が少ないことなどが、電子政府の利用率が低い理由と見られる。

   アクセンチュア(日本法人)の中島康雄パートナーは「利用率が高い国(北欧諸国、シンガポール、カナダなど)は、調査を開始当初からランキング上位だった。日本はここに来て急速に電子政府が整備されてきており、利用者が増えるには2~3年かかるのではないか。また、個人認証の利用は住民にとってハードルが高い。例えば、窓口での申請だと認め印だけで済むような申請については、個人認証なしでも電子申請ができるようにするなど、もっと使いやすくするための対策を講じるべき」と分析・提言する。

(黒田隆明)