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電子自治体ポータル

市場化テスト(官民競争入札制度)

2005/03/31 日経BPガバメントテクノロジー

日立総合計画研究所・編

 「官から民へ」という構造改革の流れの中で、国や地方自治体が行っている事業をなるべく民間に任せようという動きが広がっています。その手法の一つとして注目されているのが、「市場化テスト(官民競争入札制度)」です。市場化テストとは、今まで国や地方自治体が独占的に手がけていた事業について、民間企業との間で競争入札を行い、落札した事業主体がその事業を実施するという制度です。事業主体の選定は第三者機関がサービスの質とコストの両方を考慮して判断します。

 現在、内閣府に設置された規制改革・民間開放推進本部とオリックスの宮内義彦会長を議長とする規制改革・民間開放推進会議が中心となって、市場化テストの具体的な導入計画を進めています。2005年度には、(1)厚生労働省のハローワーク関連事業(キャリア交流プラザ事業、求人開拓事業などの4事業)、(2)社会保険庁の年金関連事業(保険料収納事業、年金電話相談センター事業などの3事業)、(3)法務省の行刑施設関連事業、の三つの分野で市場化テストのモデル事業を開始します。このモデル事業の実施によって問題点を洗い出し、必要な法整備を進めた上で、2006年度から全面的に導入される予定です。

 また、現在、規制改革・民間開放推進本部と規制改革・民間開放推進会議が進めている市場化テストは、国の事業のみが対象となっていますが、最終的には地方自治体への導入も進むと考えられます。すでに先行して取り組みを始める地方自治体も現れており、大阪府では「法令の規定により民間への委託が禁止されている業務」と「行政責任の中心をなすもの(基幹的意思決定業務など)」を除外した業務について2006年度からの市場化テストの実施を検討しています。

■コストや選定のプロセスの開示、事後評価が課題

 国が市場化テストを推進する最大の理由は、国と地方自治体の財政がひっ迫する中で、行政の効率化が不可欠となっているからです。米国やイギリスでも、NPM(New Public Management)の考え方に基づいて行政の効率化を推進する手段の一つとして、1980年代に競争強制入札(Compulsory Competitive Tendering)と呼ばれる、市場化テスト(官民競争入札制度)と同様の制度が導入されています。

 日本では、今までにもPFI(Private Finance Initiative)や指定管理者制度など、国や地方自治体が行っている事業を民間企業に任せようという動きはあったものの、その実施対象は公共施設の管理、運営などに限定されていました。しかし、市場化テストは対象業務の範囲を、サービスを含む行政の事業全般にまで拡げているので、より多くの民間企業が参入し、行政の効率化がこれまで以上に大きく進展すると期待されます。

■市場化テストと他の制度の比較
市場化テスト PFI 指定管理者制度
事業の実施形態 官と民で競争入札を行い、決定 (官が実施することもある) 民間の資本とノウハウの活用が前提 民間への業務委託が前提
対象範囲 民間への業務委託が前提 公共施設の建設、維持管理、運営 地方自治体が運営する公共施設の管理

 今後、市場化テストの導入を進めるにあたっては、解決しなければならない課題も山積しています。具体的には、(1)官民の効率性を公平に比較するために、官側も民間会計基準を適用すると同時に、免税措置などの隠れたコスト情報を開示すること、(2)公平な競争を確保するために、選定プロセスの開示を徹底すること、(3)サービスの質を確保するために事後評価の制度や監視機能を整備すること、(4)民間企業が落札した場合の公務員の処遇を明確にすること、などが挙げられます。こうした課題をクリアし、競争原理をうまく活用することで、財政の改善とサービスの質の維持向上を両立させることが可能になると考えられます。

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