情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は「携帯電話を利用した自治体サービスに関する調査報告」を発表した。調査の結果、自治体の携帯サイトのコンテンツ、サービスと住民ニーズの間に大きなかい離があることが分かった。

 調査は、アンケートにより住民のモバイルサービス要求を調査するとともに、自治体のモバイルサービス(携帯電話向けWebサイト)を直接閲覧して、要求充足度を調査してまとめたもの。対象自治体は関東甲信越の10都県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県)内にある全自治体(都・区、県、市町村)の合計775自治体。アンケートは都県ごとに約100人、合計で1083人から回答を得た。

 調査によると、住民ニーズのトップは「災害発生時の家族、友人、知人の安否確認」。「ぜひ使いたい」、「あれば使うかもしれない」という回答項目を含め97.0%が「使いたい」とした。次いで、「台風、雷、地震、その他災害情報やリアルタイム映像を見る、また避難場所や避難ルートなどを見る」が94.4%、「医療機関の連絡先や休日・深夜診療、救急医療、診療科目などを調べる」が91.2%、「各種証明書など書類発行の申し込みをする」が86.0%だった。

 これに対し、「災害時の安否確認」の提供率は、モバイル用サイトのうちわずか1.4%。住民ニーズ2位の「災害情報や避難場所、避難ルート」は34.5%にとどまった。

 CIAJでは、利用者ニーズと提供サービスの合致度合いによる自治体携帯サイトランキングも作成。1位は神奈川県横須賀市、2位が茨城県つくば市、以下、千葉県習志野市、東京都、神奈川県愛川町、神奈川県横浜市、千葉県茂原市、千葉県、新潟県小須戸町、長野県小布施町という順位だった。

 調査対象地域の全自治体のうち、携帯電話用モバイルサイトを提供している自治体は284団体で提供率は37%。一方、自治体がモバイルサイトを提供していることを知っている住民は、全体の11%だった。

→ 携帯電話を利用した自治体サービスに関する調査報告

(黒田隆明)