総務省は、今年度中に各地方自治体の情報化の取り組み状況についての評価を実施する。12月20日に開催された同省「地域における情報化の推進に関する検討会」第4回会合で「地域情報化の総合評価」の案を提出、年内に検討会からの意見を取り入れた上で評価項目を決定。決定した項目に沿って年度内に調査を実施、結果を公表する。総務省では、調査結果公表後にもさらに意見を求め、評価項目の精度を高めていく方針。

 評価情報は各種統計データやアンケートなどによって収集する。収集した指標に重み付けを行うことで得点化することもできる。点数で表現することによって、他の地域との比較も人目で分かるようになる(総務省が点数化して結果を公表するかは未定)。総務省では「自治体が地域の情報化の進ちょく状況について自ら実態を把握・評価できる指標を作ることで、情報化への関心が高まれば」としている。

 総合評価では以下の3分野について情報化の進展度合いチェックする。

(1)行政コア指標

 ・行政の普遍的なミッションに大きく関わるもの
 ・行政が主体的に電子自治体を構築していく上で、特に重要と考えられるもの

<主な評価項目(案)>

    計画・構想
     電子自治体計画の有無、計画内容の充実度(行政手続きオンライン化、文書管理システムの導入、職員の情報リテラシーの向上、庁内LANの整備など)、CIOの有無、個人情報保護条例の有無など
    インフラ
     地域ネットワーク整備、学校のインターネット接続率など
    アプリケーション/コンテンツ
     HPの有無、更新頻度、アクセシビリティ、電子入札、公共施設予約オンライン化など
    人材育成・支援
     パソコンを使って指導できる職員数、障害者支援、雇用支援など
    セキュリティ
     セキュリティポリシーの有無、監査の実施など
    IT資源活用
     行政のWebの視聴率、住基カードの発行枚数

(2)選択的施策に関する指標

・地域のIT化を推進する上で、行政が選択的に実施していくもの

<主な評価項目(案)>

    計画・構想
     行政のIT予算額、IT関連補助事業、アウトソーシングなど
    インフラ
     CATV、コミュニティFMなどへの出資、庁内LANの機能(イントラネット、電子メール、電子掲示板など)
    IT資源活用
    運用管理状況(巣ステム管理者、利用者研修など)

(3)地域関連指標

・地域のITに関する構成要素だが、行政の意思で判断できないものまで含む(民間、住民・NPO、サプライヤー等も関する指標)

<主な評価項目(案)>

    計画・構想
    IT関連事業者数など
    インフラ
     事業所内LAN整備状況、サプライヤーによる通信サービス提供(ブロードバンド、ホットスポット、携帯電話)。サプライヤーによる放送サービス提供(CATV、地上テレビ、地上デジタルなど)
    アプリケーション/コンテンツ
    電子商取引の導入、地域ポータルサイトなど
    人材育成・支援
     情報処理技術者数、パソコンやインターネットの利用を支援するNPO数
    セキュリティ
     民間企業のセキュリティ資格
    IT資源活用
     無線LANが活用できる宿泊施設、個人のパソコン利用率、ブロードバンド普及率、CATV契約世帯数、ネットゲーム参加者数など

(黒田隆明)