早稲田大学電子政府・自治体研究所(小尾敏夫所長)は、世界の主要23カ国の電子政府世界ランキングを12月27日にホームページで公表した。調査の結果、ランキング1位は米国、2位はカナダ、3位はシンガポールだった。日本は7位に入った。
早稲田大学の調査では米アクセンチュアの調査(日本は11位)や米ブラウン大学の調査(日本は29位)より、日本の電子政府の評価が高い結果となっている。理由の一つには調査項目の違いがある。今回の調査では、「ネットワーク系の充実度」、「不可欠なインターフェースの導入状況」、「ホームページの状況」、「CIO(最高情報統括責任者)の導入状況」などの項目を指標として重視したという。一方、アクセンチュアの調査ではCRMが、ブラウン大学の調査ではWebによるワンストップサービスなどが重視されている。そのほか、調査対象国が各調査で異なるため、これがランキングの違いに現れている可能性もある。
調査の結果、ランキングだけでなく世界の電子政府の動向が明らかになった。「ネットワークインフラ整備の状況は、いまだ先進国と発展途上国間にばらつきが見られる」「電子調達、電子入札、電子申告などは各国で導入が進みつつあるが電子投票については国の規模、国情によって様々」「行政ERPなどの電子政府の全体最適を実現させるための取り組みは先進国と発展途上国間大きなばらつきがある」「Webサイトは自国語版と英語などの国連公用語版とでは内容が異なることも多い」「CIO(最高情報責任者)の導入に熱心なのは米国、日本,タイなど一部にとどまる」などの傾向が見られるという。
この調査の正式名称は「第1回世界電子政府評価ランキング調査-電子政府の全体最適を目指して」。対象国は対象は日本、米国、カナダ、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、韓国、オーストラリア、シンガポール、チリ、メキシコ、ペルー、ニュージーランド、台湾、香港、ロシア、中国、フィンランド、スウェーデン、英国。
調査期間は9月23日~11月22日。早稲田大学電子政府・自治体研究所のスタッフと早稲田大学大学院国際情報通信研究科の大学院生が中心となり各国の関係者への聞き取りを行ったほか、各国の提携大学や公共機関をはじめITU、OECD統計などのデータを参考にして、各国の政府ポータルサイト、主要省庁を対象に電子政府の進ちょく状況を調べた。調査概要、調査項目について詳しくは早稲田大学電子政府・自治体研究所のサイトで公開されている資料を参照のこと。
<参考・第1回世界電子政府評価ランキング調査 世界電子政府ランキング>
- 米国
- カナダ
- シンガポール
- フィンランド
- スウェーデン
- オーストラリア
- 日本
- 香港
- マレーシア
- 英国
- 韓国
- 台湾
- 中国
- タイ
- フィリピン
- ブルネイ
- ニュージーランド
- チリ
- メキシコ
- ロシア
- インドネシア
- ペルー
- ベトナム
(黒田隆明)