■東京都足立区はセブン-イレブン・ジャパンと提携し、2003年10月1日から、新たな行政サービスを開始した。区のスポーツ施設の予約だけでなくコンビニ店舗で料金収納までできる。コンビニの活用は、住民サービスの向上に加えて、業務を合理化する狙いもある。サービスの実現には、個人情報保護の観点から足立区独自のサービス形態を考え出すなど試行錯誤した。(文:鈴木淳史)


 東京都足立区はコンビニエンスストア「セブン-イレブン・ジャパン」と提携し、新たな行政サービスを開始した。2003年10月1日から、コンビニ店舗に設置してある「マルチコピー機」(多機能複写機)を使って、住民が足立区のスポーツ施設の予約などをできるようになった。主に足立区内のセブン-イレブン約80店舗(隣接する葛飾区内の一部店舗も含む)で利用可能だ。

 コンビニ店舗で利用できる足立区のサービスは3つある(表)。(1)テニスコートなど足立区のスポーツ施設利用の抽選申し込みおよび予約と、それ伴う料金の支払い、(2)婚姻届などの届出書/申請書の印刷、(3)コミュニティバスの運行状況など足立区に関する情報参照である。マルチコピー機に取り付けてある液晶モニターのタッチ画面で操作する。(写真)

■セブン-イレブンのマルチコピー機を利用する
「足立区行政サービス」の内容

サービス分野

内容

利用範囲

足立区のスポーツ 施設 予約

抽選による利用の申し込み、随時予約、利用料金の支払い(事前 登録による登録番号とパスワードが必要

27施設(テニスコート8施設、野球場13施設、運動場6施設)

区役所への届出書・申請書の印刷

未記入の届出書および申請書の印刷(税込み白黒30円、カラー120円 )

19書式(税金3書式、介護3書式、戸籍や住民票11書式、スポーツ 施設2書式)

足立区の情報の参照

区のホームページ上にある一部の情報の参照または印刷

イベント・観光、区役所案内、バス案内、宿泊・文化施設、図書館などの情報を参照できる

■コンビニでスポーツ施設の利用料金の支払いまで可能

 このサービスの最大の特徴は、スポーツ施設の利用者が料金をコンビニ店舗で支払える(コンビニ収納)ことだ。従来は、スポーツ施設を管理する足立区生涯学習振興公社の窓口に出向き、午後8時までに利用台帳を調べて料金を支払う必要があった。それが、昨年10月に開始したサービスでは24時間365日、抽選申し込みや予約、支払いが可能になった。例えば、スポーツ施設の近くにあるコンビニで施設予約をして料金をレジで支払うと、(空きがあれば)すぐにスポーツ施設を利用できる。

■マルチコピー機

■マルチコピー機の操作画面

マルチコピー機 操作画面

 さらに、コンビニ以外でも、インターネットを通じ足立区のホームページから、スポーツ施設利用の抽選申し込みおよび予約ができる。インターネットからの予約でも、利用料金をコンビニで支払える(公社窓口かコンビニかを選択して支払うことが可能。インターネットでの決済・支払いはできない)。ただし、コンビニとインターネットでのサービス利用に際しては、事前に足立区生涯学習振興公社の窓口でIDとパスワードを取得しておく必要がある。