中川弘文 氏
コンサルティング事業本部 シニアマネジングコンサルタント
公共コンサルティング担当部長
河合正人 氏
中川弘文 氏 |
それをふまえ、現在の重点課題として、
- 中長期的な戦略に基づく業務・システムの構築
- 調達プロセスの改善
- 知識資産の共有による組織力の向上
中川氏は「EAは言葉としては新しいが、従来の開発方法論と大きくは変わらない」としながらも、従来と異なる4つの特徴を、
- 組織での政策や業務手順と、情報システムに関わる「垂直的な関係」の可視化
- 現状から次期モデルまたは理想目標に至る「時系列的」なプロセスの可視化
- 汎用性および網羅性が高い
- ITに詳しくない経営者やユーザー部門でも理解しやすい記述である
出典:富士通 |
続いて河合正人氏が、業務改革の検討事例を紹介した。
河合氏はまず、経済産業省EAパイロットプロジェクト委員がまとめた『EA策定ガイドライン』を引用し、EAの役割として、
- 組織全体のビジョンを明確化して、システムの方向性を定める
- 現状から理想に至る活動の明確化と改善サイクルの確立
- データ体系の明確化
- 長期的な設計思想と技術の世代管理
現状では財務/文書/人事などの部署で、それぞれ専用端末でバラバラにシステム構築や業務処理を行っている場合が多い。だがEAで実現する「理想目標に向けた考え方」として、各業務共通のシステム基盤を構築し、庁内ネットワーク上のパソコンでデータを共有し業務を処理できることを代表例として紹介した。
河合正人 氏 |
出典:富士通 |
さらに河合氏は、「現状の問題点」を洗い出し、「変革のためのプロセス」を作成し、「変革後の効果」を測定する一連の流れとなっているアクションプランの設定例も紹介した。結果として、組織全体のビジョンを再確認できることがEAの持つ効果である点を強調し、セッションを締めくくった。