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2004/03/23




 認識率の向上に最も寄与したのは,リーダー/ライターの読み取り頻度の調整と,同じパレットの情報を複数回読み取ってしまったときに必要がない情報を捨てるフィルタリング処理の改良という。「99.97%は決して高い数字ではない。1万個のパレットを処理すると3個は読み間違えてしまうわけだから。これを100%に引き上げるには,システムの改良というよりは,運用面での工夫が必要だ。これが今後の課題となる。実験を通じてパレット単位の物流システムの構築にはかなり自信がついた」(大日本印刷)。

既存システムとの連携がカギ

 ほかの業務システムとの連携は,ソフトウエア開発や実証実験が始まったばかりで,具体的な課題の洗い出しはこれからという状況だ。現在進んでいるのは汎用的なソフトウエアの開発で,しばらくは実システムへの適用を目指す試行錯誤が続くだろう。

 無線タグとの連携の要求が高そうなのは,バーコードを使う既存の物流システムである。すべての物流システムを,一気に無線タグを使うシステムへと移行するのは現実的ではない。特に,物品の一つひとつに無線タグを取り付けて管理する個品管理では,無線タグへの移行の過渡期にバーコードと混在した環境が生まれる可能性が高い。非常に安価な物品や生鮮食料品などに,数十円の無線タグをいきなり取り付けるとは考えにくいからだ。

 無線タグ関連システムを,監視カメラやセンサ・ネットなどと連携させるソフトウエア技術の開発も進んでいる。日本ユニシスが2004年2月に出荷を始めた「Information Wharf」は好例だ。

 Information Wharfは,無線タグや監視カメラ,各種センサなどでリアルタイムに取得した情報を業務システムと連動させるソフトウエアである。無線タグが発する情報と,ほかのハードウエアの動作を連携させることが可能になる。「例えば,無線タグを使った万引き防止システムを考えたときに,万引きが起きたら監視カメラで撮影するような応用が実現できる。温度センサ付きの無線タグを物品に取り付ければ,測定した温度に基づいてエアコンを動かし,室温を最適化するようなことも可能」(日本ユニシス)という。

プライバシー侵害に強い抵抗感

 無線タグを使ったシステムの実用化が現実味を帯びるにつれて浮かび上がってきたのが,消費者のプライバシー侵害に対する懸念である。ユーザー企業各社が無線タグの導入計画を明らかにする過程で,プライバシー侵害に対する消費者団体からの抵抗が予想以上に大きいことが分かってきた。イタリアBenetton社は,無線タグの導入計画が明らかになった2003年3月以降,消費者団体の不買運動に直面した。同社は翌月に「無線タグはまだ検討している段階。商品には一切入っていない」と発表して事態の収拾を図った。




本記事は日経エレクトロニクス2003年8月4日号のLeading Trendsを基に,RFIDテクノロジが再編集したものです。コメントを掲載している方の所属や肩書きは掲載当時のものです。


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