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目標見えたゴマ粒チップ(第2回-1)

Wal-Mart社の発表で目の色変わる

2004/03/09

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発想の転換で製造コストを低減

図1 無線通信ICを使わないタグも
図1 無線通信ICを使わないタグも
米INKODE Corp.が開発したタグの例(a)。同社のタグ技術は,無線通信ICを使わないことが特徴。このため安価に製造でき,大幅に価格を下げられるという。「Taggent」と呼ぶ微細な特殊材料をランダムにカードや紙に埋め込む。リーダーが24GHz帯や58GHz帯といったミリ波をそのカードや紙に当てると,Taggentに反射した信号がリーダーに戻る。反射波はそれぞれの紙やカードに固有の波形となる。その信号をデジタル化することでID番号にする(b)。
※図をクリックすると拡大図をご覧になれます。
図2 リーダー/ライターの価格低下も進む
図2 リーダー/ライターの価格低下も進む
1万円を切る無線タグ用リーダー/ライターが登場する。写真は,ケイテック デバイシーズが開発したリーダー/ライター用モジュールの試作品。通信周波数は2.45GHz帯。(a)は,送信出力を10mWに下げ,小型化することで数千円のリーダー/ライターの実現を目指したモジュール。電池駆動が可能で,単3電池4本で動作する。試作モジュールは大ぶりだが,製品化するときにはSDメモリーカードとほぼ同じ寸法にする計画。ただし,通信距離は3cm〜5cmと短い。(b)は,USBインタフェースから電源供給を受けて動作するリーダー/ライター。パソコンに直接つないで情報の読み書きができる。同社は内部のモジュールなどを販売する。リーダー/ライターにしたときの価格は,現行のバーコード・スキャナの半分程度になる見込み。
※図をクリックすると拡大図をご覧になれます。

 2003年6月のWal-Mart社の発表以降,これまで以上に業界の関心を呼んでいるのが無線タグ関連システムの価格だ。本格導入に向けて,ユーザー企業からの価格要求が厳しくなることは間違いない。ここにきて低価格を売りにする無線タグやリーダー/ライターなどの関連技術が続々と登場し始めた(図1[拡大表示],図2[拡大表示])。

 特に,ユーザー企業からの価格要求が厳しいのは無線タグ自体だ。Wal-Mart社は,個品単位で導入する条件として「25米セント」を提示した。

 この要求を満たすカギは,無線タグを効率よく生産する技術の開発である。無線通信ICやアンテナ,フィルム基板などの部材コストと,これらの部材を実際の無線タグに仕上げるための加工コストという2つの面で改善が進んでいる。現状ではこの2つが,生産コストのほぼ半分ずつを分け合っている。

 このうち,部材コストに関しては,量産効果によってコストを下げる道筋が見えつつある。特に,部材コストのほとんどを占める無線通信ICでは,現行技術の延長線上で対応可能との見方が強い。半導体設計ルールの微細化で,1枚のウエハーから切り出せるチップの数を増やせるからだ 注1)。「今の需要水準では,先端プロセスの採用はコストに見合わない。だが,億単位の需要となれば話は別だ。現在の0.35μm〜0.5μmルールに対し,0.13μm〜0.18μmルールの製造プロセスを採用すれば,かなりのコスト削減効果がある」と複数の無線タグ・メーカーは口をそろえる。

 むしろ,無線タグ・メーカーが課題とみるのは,残り半分を占める加工コストの方である。目標は,単位時間当たりの無線タグの生産量をケタ違いに高めること。少ない生産ラインで短時間により多くの無線タグを製造できれば,価格低下に直結する。もちろん,現行技術を改良し,生産ラインを増強すれば生産数は増えるが,投資分だけ価格に跳ね返るジレンマがある。この方向ではコストを数分の1にするような劇的な効果は見込めないとの声が多い。

 年間億単位で大量生産し,かつ価格を大幅に下げるには「従来の製造技術とは一線を画す発想の転換が必要」と,ほとんどの無線タグ・メーカーの技術者は主張する。既に国内外のメーカーは,生産効率を上げる技術開発に水面下で取り組んでいるようだ。実際,日立製作所は同社の無線タグ「ミューチップ」向けの新しい製造方式を公表している 1)。




本記事は日経エレクトロニクス2003年8月4日号のLeading Trendsを基に,RFIDテクノロジが再編集したものです。コメントを掲載している方の所属や肩書きは掲載当時のものです。


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