実は今,コンピュータ室で思わぬトラブルが続発している。例えば電源が突然停止する,ハードウエアの端子の信号レベルがおかしくなるといった具合である。あわてて担当者がコンピュータの筐体を開けて隅々まで調べても,なぜか異常は見当たらない。

 最近になって,そうした原因不明のトラブルを引き起こしていた「犯人」が分かってきた。すべての場合というわけではもちろんないが,目に見えないほど小さい「亜鉛(Zn)ウイスカ」と呼ぶ,Znの針状結晶がコンピュータ内部に入り込んで不具合を誘発しているというのだ。

 このZnウイスカは,コンピュータ室の床下パネルや支柱に施されたZnメッキから発生する。現状では解決策は1つしかない。それは「コンピュータ室の環境を変えること,つまり床下パネルの部材などをウイスカの発生しないものに作り変えることだ」(電子情報技術産業協会(JEITA) コンピュータ室設備専門委員会 委員長の馬場 敬博氏)という。現在,馬場氏のもとにはデータ・センターや銀行などから10数件の問い合わせが相次いでいるという。

(伊藤 大貴=日経エレクトロニクス)

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