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スパム電話(スピット)
IP電話にもスパムがやってくる
筆者のところに来る迷惑メール(通称スパム)は1日百通以上にも達する。最近はフィルタリング・ソフトが優秀になってきて,自分で消さなければいけない数は十通くらいにまで減ったが,逆に必要なメールまでスパムと判定されてしまって,見逃してしまう,といった問題もある。メールソフトの「ごみ箱」を1日1回はチェックするのだが,急ぎのメールの場合など,困ったことになってしまう場合もないわけではない。 メールのスパムだけでも,これほど持て余し気味なのに,それがIP電話に拡大するといううわさがある。このうわさの真偽を確かめるべく日経コミュニケーションの記者がプロバイダなどに聞きまくった結果,まだ例は少ないものの,実際に存在することが分かった。「spam over internet telephony」の略でスピットという名前が付いていることも分かった。 内容はというと,アダルト系だったり,アングラな商品の売買だったり,メールのスパムとよく似た感じのものが中心のようだ。 考えてみれば,IP電話でスパムが登場するというのは,当然の成り行きである。普通の固定電話でも迷惑な勧誘・セールスなどの電話は年中かかってくるからである。通話料がかからなかったり格安で済むIP電話は,そういった電話をかける業者にとって魅力的なはずだ。IP電話人口が増えるにつれ,IP電話での迷惑電話も増えていくだろう。 プログラムで簡単に自動発信できる ただ,固定電話の迷惑電話は人がかけるのに対し,スピットの場合は発信者が人ではなくコンピュータであったりするからやっかいだ。自動的に電話をかけて録音した音声などを使って案内などを流すのだ。固定電話の迷惑電話とスパムのハイブリッドといったところだ(表1)。
IP電話では,電話をかけるときにSIPというプロトコルを使う。メールの送信にはSMTPというプロトコルを使うが,それと似たところもある。メールを自動送信するプログラムを書ける人だったらSIPで自動発信するプログラムを書くのは難しくない。つまり,技術的にはスピットを作るのはそんなに大変なことではない。 メールと違って電話はリアルタイムだし,受けるのは人間であるというところが違うので,それほどスピットが氾濫することはないかもしれないが,問題は電話を取ってみないとスピットかどうかが分からないこと。それに,アダルト系の音声などが流れてくる可能性があることを考えると,子供がいる家庭では深刻な問題になりかねない。 既に,NTTコミュニケーションズなどは約款でプログラムによる大量発信を禁じるなど,手を打ち始めた。本当に広がり始める前に対策を進めることが必要なのだ。 |