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続・IP電話の夜明け前(4)

痛みの中でこぎつけた出荷判定(2000年1月)

2005/01/26


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沖電気工業
IPソリューションカンパニー
ソリューション開発本部兼e音プロジェクト
薄葉 伸司 沖電気工業
IPソリューションカンパニー
ソリューション開発本部兼e音プロジェクト
薄葉 伸司

苦しみぬいたラインユニット(LU)開発がようやく出荷判定にこぎつけることになった。その前々日、目覚めとともに背中に激痛が走った。

 この世のものと思えないぐらい痛い。なんだろう。盲腸だろうか。こんな痛さはそれまで経験したことがなかった。早朝、タクシーで病院にむかった。病院ではまず応急処置として痛み止めの注射を受けた。とりあえずすぐに痛みは治まったが、覚悟を決めて、きちんとした精密検査をして貰った。大きくはない結石が尿管に詰まっている様子が確認できた。

 実はこの日から5カ月ほど前に、一度夜中に背中が痛くなったことがあった。そのときも病院に行って、尿管結石だろうという診断結果を聞いていた。ただ、痛み止めをもらい、その後痛みが治まったままだったので、放置していたのである。本当は、そのときに結石の大きさなどをしっかり検査してもらえばよかったのだが、LUの開発が佳境にさしかかっていたところであり精密検査を避けていた。つまり精密検査を受けると悪い結果が出て、しばらく会社に来られなくなるような気がしてしまい、あえて避けていたというのが正直なところである。

 痛いが命にかかわる病気ではないので安心した。痛み止めのおかげで、その日の痛みは嘘のように消え去った。そのまま会社に出社することにした。幸い病院は、会社から徒歩5分程度のところにあるので、いざとなればそこに飛びこめばいいように会社に配慮してもらった。しかし、その後出荷判定までに何度か痛みが再発した。再発時には痛み止めでは効かず、点滴まで打つことになってしまった。

出荷判定がやってきた

写真1 IPstage用に開発したIP電話機
写真1 IPstage用に開発したIP電話機
写真2 IPstageのコミュニケーションコントロールユニット
写真2 IPstageのコミュニケーションコントロールユニット
 私自身はこうして身体の状態に苦しんでいる中、時間は無情に流れ、IP−PBX「IPstage」の出荷判定がやってきた。IPstageの出荷判定は、私たちの担当していたLUに加えて、IP電話機(写真1)、CCU(コミュニケーションコントロールユニット,写真2)の三つの構成要素に対して行われる。IP電話とCCUは大きな残課題がなく、ほぼ出荷できるレベルにまで達していたのであるが、我がLUが実のところ一番大きな課題を抱えていた。

 業界初のIP-PBXとなろうとしていたこのIPstageの開発は、社内でも非常に大きな注目を集めるプロジェクトとなっており、さまざま部門がかかわりを持っていた。

写真3 河島洋一部長(当時)
写真3 河島洋一部長(当時)
 この大プロジェクト全体を管理する総合開発責任者は、河島洋一部長(写真3)であった。私は、河島部長に対し、LUの品質状況について説明し、出荷判定の申請を行ってもらう必要がある。前回ご紹介したLSIの信号処理能力問題への対策を含め、最後まで苦労が絶えず、開発チームのメンバーたちは1月以降ほとんど休みなく取り組みを続け、また、何日かの徹夜もしながら出荷に向けて全力をあげていたのである。検証は100%ではないが、出荷申請を断念することは、がんばり続けたメンバーたちを考えると、私にはとてもできなかった。

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