続・IP電話の夜明け前(2)致命的課題発見で凍りつく(1999年後半)
関連会社に出向し、ラインユニット(LU)というIP-PBXの構成部分を開発する部隊のチーム・リーダーになった。実は、それは引き受け手がない難しい開発の担当だったのだ。
当然、慎重な評価が必要である。しかし時間的余裕はない。製品開発では必ず起こるジレンマなのであるが、製品の出荷時期が決められている以上、余裕を持った開発というのはまずありえない。7月初旬になり、完全な評価が済まない中で、早くもLSIの量産判断の時期が訪れた。 1995年に開発したVOICEHUBでは、コアのLSIに致命的なバグがあったという苦い経験もあり、当然今回も十分な評価を行うべきだという気持ちが強かった。しかし、年末にIP-PBXの出荷を開始するという目標を達成するためには、7月にLSIの量産化判断をせざるを得なかったのである。こまごまとした点で改善の余地はあるにせよ、致命的となる問題はなく、量産化に反対する理由はなかった。私は“GO”の判断に同意し、LSIは量産工程に入った。 正直をいうと、私自身途中から開発に加わったこともあり、その時点ではこの決定をそれほど重要だとは認識していなかった一面もある。またIP-PBXの開発は、沖電気社内でも広く認知されていた。最初のVoIP製品であるBS1100-VOICEHUBの開発のころと違い、沖電気の新たなVoIP製品群として世にだすことへの期待がかかっていた。開発納期を遅らすわけにはいかなかったのである。
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