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光・IP電話FTTH上でフル機能の電話サービスを提供するソフトバンクが参入するなど,FTTHサービスの競争が激しくなっている。FTTHの第1の用途はもちろんインターネットだけどIP電話もアプリケーションとして重要だ。実際,ブロードバンドの事業者達の間で今話題なのは「トリプル・プレイ」と呼んでいるインターネットとIP電話,放送の三つのサービスをパッケージ化したものだ。FTTHの上のIP電話のサービスを「光・IP電話」という。 IP電話というとADSLの上でのサービスが普及しているけれど,FTTHだと何が違うのだろうか。わざわざ区別する意味があるのだろうか。 ADSL上のIP電話は「050」で始まる電話番号を使うのが普通だ。Yahoo! BBの「BBフォン」は固定電話と同じ電話番号で通話できるけど,それはあくまでYahoo! BB内部のこと。固定電話や携帯電話などからかけるときは050番号を使う。 これに対して光・IP電話は「03」「06」などで始まる「0AB〜J」形式,つまり固定電話と同じ形式の電話番号が利用できる(表1)。より正確に言うと,利用できる“場合がある”。“場合がある”とわざわざ加えたのは,ソフトバンクの「Yahoo! BB 光」の場合,当初は050しか利用できず,2005年春から0AB〜Jをサポートする予定だからだ。 ここで取り上げている光・IP電話はFTTH事業者自身,あるいはFTTH事業者と一体化してサービスする事業者が提供するサービスである。以前からBフレッツなどを利用したプロバイダが提供しているIP電話サービスがあるが、「0AB〜J」番号は利用できないため「050」番号を使うことになる。
このコラムで以前に0AB〜J番号について書いたことがあるが,総務省はIP電話で0AB〜J番号を使うサービスに様々な制限を付けている。その中には使う場所を特定できないといけない,とか音質の確保などがあり,ADSL上のIP電話で総務省を納得させるのはちょっと難しい。だからこそ0AB〜J番号の光・IP電話がFTTHの“売り”になるのだ。 固定電話をやめられる 0AB〜Jに対応する光・IP電話は110番などの緊急通報も利用できるのが普通だ。なぜならば緊急通報をかけられるサービスは,固定電話の代わりに使っていい,と総務省がお墨付きを与えているからだ。 ADSLより月額料金が高いFTTHにとって,サービスの割高感を消すことは重要命題。固定電話をやめられれば,月額2000円近い基本料金を払わずに済む。その分FTTHの割高感もなくなる。 だからこそ,FTTHの事業者は皆,光・IP電話を手がけるのだ。NTTにとっては固定電話のユーザーを失ってしまうのは痛し痒しではあるが,他社の光・IP電話にユーザーを奪われるよりはまだまし,と考えている。 NTTの光・IP電話は現在はマンションにしか提供していないが,戸建て向けも虎視たんたんと狙っている。これまで戸建て向けFTTHはNTTが圧倒的シェアを持ってきたため,総務省からの認可を得るのが難しかったが,ソフトバンクの事業が本格的に始まれば状況は変わる。2005年には光・IP電話はさらに注目されるだろう。 |