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IP電話の夜明け前(8)

無事に終わった発表(1997年9月)

2004/06/15

沖電気工業
IPソリューションカンパニー
ソリューション開発本部
インキュベーション推進部
薄葉 伸司

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VOICEHUBの論文がISSという国際学会で採用され、カナダのトロントで発表することになった。はじめはリラックスしていたのだが、発表日が近付くにつれ、緊張も高まっていった。

 9月25日。私たちの発表当日の朝を迎えた。小西課長も私も前日はほとんど眠れなかった。午前5時には二人でホテルを出て会場に向かった。ホテルから、学会が開催されているコンベンションセンターまで、歩いて約15分。二人とも口もきかず押し黙ったまま歩いた。この連載のタイトルと同じ、まさに「夜明け前」の薄暗い道であった。

 主張をうまく伝えることができるだろうか? そもそも私達の主張を聞いてくれる人がいるのだろうか? いろんな心配や迷いが頭の中で交錯していた。95年8月にVOICEHUBの企画を言い出したS部長こと関根部長(写真1)や千村課長、ベースになる論文を共同執筆した和泉係長(写真2)などの関係者の顔が頭の中をよぎった。とにかく、伝えることだけは伝えよう。無心でいこうと心に決めた。

写真1 関根芳則部長(当時)
写真1 関根芳則部長(当時)
写真2 和泉幸一係長(当時)
写真2 和泉幸一係長(当時)

国際学会での発表の様子

写真3 私たちのプレゼンテーションの表紙
写真3 私たちのプレゼンテーションの表紙
 私達が発表したセッションは、Interactive Sessionといい、45分間の発表を4回繰り返すものであった(写真3)。小西課長が1回目と3回目、私が2回目と4回目の発表を担当した。会場は100人弱の聴衆を収容する程度の大きさであった。立見がでるほどの人気セッションもあったが、私たちの発表ではそのようなことにはならず、空席も目立った。それでも最終の4回目には、少なくとも前のほうの席は埋まり、発表する私の視界からは空席はあまり見えないほどだった。

 決して大盛況というわけではない。小西課長が発表した1回目と3回目のプレゼンでは、私はスライドを切り替える役をしており、そのときに聴衆を観察することができた。しかめ面でじっと中空をにらんでいるような人、うなずく人。どちらかというとやはり、全体として静かな反応であった。質問もまばらで議論になるというほどのこともなかった。私たちの英語のレベルの問題もあったかも知れないが。


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