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IP電話の夜明け前(8)無事に終わった発表(1997年9月)
沖電気工業 IPソリューションカンパニー ソリューション開発本部 インキュベーション推進部 薄葉 伸司
VOICEHUBの論文がISSという国際学会で採用され、カナダのトロントで発表することになった。はじめはリラックスしていたのだが、発表日が近付くにつれ、緊張も高まっていった。 9月25日。私たちの発表当日の朝を迎えた。小西課長も私も前日はほとんど眠れなかった。午前5時には二人でホテルを出て会場に向かった。ホテルから、学会が開催されているコンベンションセンターまで、歩いて約15分。二人とも口もきかず押し黙ったまま歩いた。この連載のタイトルと同じ、まさに「夜明け前」の薄暗い道であった。 主張をうまく伝えることができるだろうか? そもそも私達の主張を聞いてくれる人がいるのだろうか? いろんな心配や迷いが頭の中で交錯していた。95年8月にVOICEHUBの企画を言い出したS部長こと関根部長(写真1)や千村課長、ベースになる論文を共同執筆した和泉係長(写真2)などの関係者の顔が頭の中をよぎった。とにかく、伝えることだけは伝えよう。無心でいこうと心に決めた。
国際学会での発表の様子
決して大盛況というわけではない。小西課長が発表した1回目と3回目のプレゼンでは、私はスライドを切り替える役をしており、そのときに聴衆を観察することができた。しかめ面でじっと中空をにらんでいるような人、うなずく人。どちらかというとやはり、全体として静かな反応であった。質問もまばらで議論になるというほどのこともなかった。私たちの英語のレベルの問題もあったかも知れないが。
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