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IP電話の夜明け前(7)

予想外だった学会での発表(1997年)

2004/06/01

沖電気工業
IPソリューションカンパニー
ソリューション開発本部
インキュベーション推進部
薄葉 伸司

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初めてのVoIP製品の開発を1996年末に終え、筆者はいったんVoIPゲートウエイの製品開発から離れることになった。

 VOICEHUBの第一号製品となるBS1100の全国ネットワークへの設置が終了し、開発プロジェクトは解散した。その後、VoIPゲートウェイの開発は、BS1100から後継機種となるBS1200へと移り、新たな開発プロジェクトが発足した。だが、私自身はこれからは離れた別プロジェクトに参画することになった。

写真1 VoIPゲートウエイの開発を引き継いだ松沼敬二課長
写真1 VoIPゲートウエイの開発を引き継いだ松沼敬二課長
 このときは正直に言って、苦しみながら世に産み出し、これから育てようという我が子と引き離されるような気持ちになったというのが偽らざるところである。しかしながら、後継機はバトンタッチした松沼課長(写真1)がりっぱに育ててくれて、結果は喜ばしいものとなり、感謝している。


論文採用のニュースが飛び込んできた

写真2 事業部の企画責任者だった奥野尭部長
写真2 事業部の企画責任者だった奥野尭部長
 別のプロジェクトに移ってから2カ月ほどたった97年5月下旬のある日のこと。20mほど離れた席にいる奥野部長(写真2)が、「えっ!うそだろ!」と叫ぶ声が聞こえた。奥野部長は、VOICEHUBの開発について企画部長の立場でGO判断をした責任者である。

 奥野部長に聞いてみるとISSに応募投稿した論文が採用されたという。ISSとは、International Switching Symposiumという国際学会の略称である。VOICEHUBの開発コンセプトについて、「Internet Access Gateway System for Voice Communication 」というタイトルで私たちがISSに投稿した論文が採用されたという知らせだった。奥野部長の叫び声からは、この採用がいかに予想外の出来事であったかが率直に伝わってきた。

 ISSという学会は、世界中の通信事業者やベンダーが集う、通信分野では最高レベルの学会であった。概ね3年に1度開かれ、1997年はカナダのトロントで開催されることになっていた。


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